ノーベル賞に二度も輝いた不思議な生物
テトラヒメナの魅力
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▼テトラヒメナをご存知ですか?
ノーベル賞に輝いたリボザイムとテロメアの発見に導いた研究材料です。 ダイニン、テロメア、リボザイム、ヒストンアセチラーゼ、テロメアRNA、スキャンRNAと、次々と重要な発見に結びついた、優れた生物の魅力を紹介します。
この本を書いた目的は2つあります。
1番目は、分子生物学の発展に大きな貢献をしているテトラヒメナを多くの方々に知っていただくことです。大きな発見(2件のノーベル賞受賞を含む)に結びついた研究の背景には、研究者の優れたインスピレーションと研究材料の適切な選択があります。どういう理由でテトラヒメナを選び、どういう実験を行ない、大きな発見に至ったのか、時代背景をたどりながら紹介します。
2番目は、一人の生物学者が愛すべき研究材料テトラヒメナについて思いをつづり、こんなに魅力的な生物がいることを皆さんに知ってもらいたいと思ったからです。生物学に興味のある方もない方も、テトラヒメナの研究がわれわれの命に深くかかわりあっていることを知っていただければうれしく思います。

化学 2018年12月号「新刊紹介」(p.60)に掲載されました。

はじめに
第1章 セレンディピティ満載の不思議な生物、テトラヒメナ 1.1 テトラヒメナとは 1.2 テトラヒメナは2つの核をもつ 1.3 テトラヒメナには7つの性がある 1.4 テトラヒメナの有性生殖はとても複雑である 1.5 テトラヒメナの終止コドンUAAはグルタミンをコードする コラム1 二核性の進化は2段階で獲得された?
第2章 精子を動かすモータータンパク質 ――ダイニンの発見―― 2.1 繊毛の構造 2.2 ダイニンの発見 2.3 ダ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
沼田 治(ぬまた・おさむ) 1952年生まれ。1975年東京教育大学大学院修士課程理学研究科動物学専攻入学、1977年同大学院修士課程修了、1980年筑波大学大学院博士課程生物科学研究科生物物理化学専攻単位取得退学。理学博士(筑波大学)。筑波大学、上越教育大学などを経て、2001年筑波大学生物科学系教授、2018年定年退職。
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