第10回表象文化論学会賞を受賞しました。
小説家と映画の終わらない「情事」――
文学史と映画史を交差させながら、シネフィルで映画批評家だった小説家の創造の軌跡をよみがえらせる。
『スタンブール特急』『ブライトン・ロック』『第三の男』『情事の終わり』――映画批評家としても活躍した小説家グレアム・グリーン(1904-1991)の映画的側面に光をあて、ヒッチコック、チャップリン、ルネ・クレール、フリッツ・ラングなど、同時代の映画作家とのかかわりからグリーンを〈遅れてきたモダニスト〉として捉えなおす。 文学と映画の橋渡しをする、野心的試み。
『表象』13(2019年) 書評が掲載されました。評者は高村峰生氏(関西学院大学国際学部准教授)です。
「英米文学」(立教大学英米文学会紀要) 79号(p.9〜p.11)に書評が掲載されました。評者は小山太一氏(立教大学文学部教授)です。
図書新聞 第3364号(2018年8月18日)5面に書評が掲載されました。評者は阿部曜子氏(四国大学文学部国際文化学科教授)です。
プロローグ
第一部 トーキーの夜明け
第一章 ミドルブラウのアダプテーション空間 ――『スタンブール特急』と『オリエント急行殺人事件』 1 一九三〇年代初頭のミドルブラウ文化 2 嫌々ながらのミドルブラウ作家 3 アダプテーションとアプロプリエーション 4 グリーンの動くホテル 5 鉄道、映画、モダニティ 6 ロシアより愛をこめて 7 列車の停止
第二章 風刺としての資本主義批判 ――『ここは戦場だ』と『自由を我等に』 1 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
佐藤元状(さとう もとのり) 1975年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学。2012年に東京大学より博士号(学術)を取得。専門は英文学(モダニズム文学および現代の英語圏文学、世界文学)と映画研究(イギリス映画、スロー・シネマを中心とした現代映画)。主要業績に『ブリティッシュ・ニュー・ウェイヴの映像学──イギリス映画と社会的リアリズムの系譜学』(ミネルヴァ書房、2012年)がある。
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