▼世界文学『源氏物語』。
古代から現代に到るまで、無数の人々を惹きつけてきたこの物語を四つの視角から読み解き、緻密極まりないその構造を明らかにする。 『源氏物語』研究における〈政治の季節〉を牽引してきた著者の、物語読解へのあらたな挑戦を集成する、待望久しい論文集。
序に代えて
政治の季節のその後 一 冷泉朝下の光源氏 ――太政大臣と後宮の問題をめぐって―― はじめに 一 『源氏物語』の太政大臣 二 歴史上の太政大臣 三 太政大臣の就任と退任 四 王朝の強化と後宮の役割 五 光源氏と道長に共通するもの おわりに
二 冷泉朝の始発をめぐって ――貞観八年の影―― はじめに 一 六十三歳の摂政――貞観八年の影―― 二 藤原基経と頭中将――貞観八年のもう一つの影―― ……
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田坂憲二(たさか けんじ) 昭和27年生まれ。九州大学文学部卒業、同大学院修了。博士(文学)。 現在、慶應義塾大学文学部教授。国文学専攻。 主な著書に、『源氏物語の人物と構想』(和泉書院、平成5年)、『大学図書館の挑戦』(和泉書院、平成18年)、『文学全集の黄金時代−河出書房の1960年代−』(和泉書院、平成19年)、『源氏物語享受史論考』(風間書房、平成21年)、『源氏物語古注集成 18 紫明抄』(おうふう、平成26年)、『名書旧蹟』(日本古書通信社、平成27年)、などがある。
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