農民音楽からモダニズムへ
▼西洋音楽に多大な影響を与えた作曲家バルトーク・ベーラ(1881—1945)は、ハンガリーでは、自国の民謡を採集・研究した「文化英雄」とされている。 ▼本書では、バルトークの創作における、モダニスト作曲家としての一面と、文化ナショナリズムの一面とが、どのような関わりをもっていたのかを分析し、バルトークの作品様式にも同じ二面性があらわれていることを論証する。 そして彼が、民俗音楽の「プリミティヴィズム」を取り込むことで、自らの芸術性を拡大していったさまを、豊富な譜例をもとに明らかにしていく。
音楽の友 2018年2月号に書評が掲載されました。評者は小沼純一先生です。
レコード芸術 2018年1月号に掲載されました。評者は伊東信宏氏(大阪大学文学研究科教授)です。
序 論 T
第一章 民俗音楽の「精神」を求めて――バルトークの文化ナショナリズムとモダニズム 一 バルトークと民俗音楽の「精神」 二 ハンガリーの文化ナショナリズムと「民俗藝術」の流行 三 チャートの音楽批評と「民謡の精神」 四 アディによるハンガリーの文化アイデンティティの捉え返し 五 新しい「ハンガリーの音楽」のナショナリズム
第二章 音楽のナショナリズムからプリミティヴィズムへ――バルトークと一九一〇年前後のフランス音楽 一 バルトーク ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
太田 峰夫(おおた みねお) 1969年生まれ。1996年に東京大学大学院人文科学研究科修士課程を修了後、ハンガリー政府奨学生としてブダペストに留学。2009年に東京大学大学院人文社会研究科博士課程を修了。博士(文学)。2013年より宮城学院女子大学音楽科准教授。
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