▼多様なものが併存しつつ、相互に影響を与えていく「やわらかな多文化主義」を、日本移民の食を通して考える。
現代のペルーには、日系社会の内側で生き続けた「日系食」、ペルー料理の新しいバリエーションとしての「ニッケイ料理」、近年新たに創作された「ニッケイ・フュージョン料理」、など日本人移民が関わり影響を及ぼした多様な食文化がある。日本人移民の100年の歴史をひもとき、日本食・日本料理の変遷を明らかにし、やわらかな多文化主義を拓く。
ラテンアメリカ・レポート Vol .34 No.2(2018年1月)「資料紹介」(p. 76)にて、書評をいただきました。評者は、清水達也氏です。
ジャパンフードサイエンス 2017年5月号(Vol.56 No.5)「今どきの本」(p.34)にて紹介されました。
はじめに―― 日本料理、ペルー料理、ニッケイ・フュージョン料理 世界的な日本料理の流行 / ペルー料理の流行 / ペルーの和食
第1章 初期移住者の食生活 農場での和食 / ペルー料理の受容と飲食店経営 和食への欲求 / ペルーの生活への適応・同化
第2章 飲食業への進出と日系食 上流家庭の使用人・調理人 / 飲食業への進出 天草からのペルー移民 / リマ中心街の野中兄弟 故郷に錦を飾る / カリャオ港におけるホテル兼レストラン 日本人の職業構成 / 家庭 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
柳田利夫(やなぎだ としお) 慶應義塾大学文学部教授。 1978年、慶應義塾大学文学部助手。 1980年、慶應義塾大学大学院博士課程修了。 1997・2002年、ペルー・カトリカ大学人文学部訪問教授。 『アメリカの日系人―― 都市・社会・生活』同文舘出版、1995年。 『ハワイ移民佐藤常蔵書翰―― 近代日本人海外移民史料』慶應通信、1995年。 『リマの日系人―― ペルーにおける日系社会の多角的分析』明石書店、1997年。 『ペルー日系人の20世紀』芙蓉書房出版、1999年。 『ペルー 太平洋とアンデスの国 近代史と日系社会』中央公論新社、1999年。 『ラテンアメリカの日系人』慶應義塾大学出版会、2002年。
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