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抵抗の文学

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A5判/上製/352頁
初版年月日:2016/03/30
ISBN:978-4-7664-2313-6
(4-7664-2313-5)
Cコード:C3098
定価 6,600円(本体 6,000円)

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抵抗の文学
国民革命軍将校阿ろうの文学と生涯
目次 著者略歴

▼「南京陥落」を中国人としてはじめて長篇小説に書きあげた幻の作家・阿壠の獄死はなにを意味するか。
中華人民共和国の政治権力闘争のはざまで歴史から抹消され、獄死後の1980年に名誉回復となった文学者・阿壠研究の礎となる記念碑的作品。

 中華人民共和国が誕生した一九四九年から数年後、文芸思想家・胡風を中心とする文学者たちが「胡風反革命集団」として一斉に検挙され、中国共産党によって断罪された。そして阿壠は「胡風集団」の「骨幹分子」として、節を曲げることなく獄死した。そこには個人の思想自体が国家に対する犯罪として裁かれ、創作と表現の自由が権力構造のなかで圧殺されていく姿が無残に物語られている。阿壠の人生と文学を詳細に検討することは、単に「胡風反革命集団」の事件が冤罪だったという再評価の問題に留まらず、文学と政治、文学と社会の根源的命題を深く掘り下げることに他ならない。
 実地調査、関係者への聴き取り、一次資料の解読を通して結実した著者二〇年来の研究成果の集大成。

※サブタイトル名の「阿ろう」は、正式には、「阿壠」です。

目次

 序文 阿壠とその時代
  1、中国一九五〇年
  2、「阿壠」という文学者
  3、本書の構成

第一章 国民革命軍将校陳守梅と文学者阿壠
―― 少年時代と国民革命軍将校への道、長編小説「南京」の誕生
 1、父母と青少年時代
 2、杭州商人の「学徒」から国民党入党、左派「改組派」への参加
 3、中国公学から黄埔軍官学校へ
 4、黄埔軍官学校と初めての戦役
 5、戦場での負傷と「再生の日」
 6、上海最前線撤退から延安 ……

著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

関根 謙(せきね けん)
1951年福島県生まれ。文化大革命直前の中国大連で中学時代3年間を過ごす。慶應義塾大学大学院修士課程修了。専攻は中国現代文学。現在、慶應義塾大学文学部教授。共著に『近代中国の地域像』(山川出版、2006年)、訳書に、梅志『胡風追想』(東方書店、1991年)、阿壠『南京慟哭』(五月書房、1994年)、格非『時間を渡る鳥たち』(新潮社、1997年)、虹影『飢餓の娘』(集英社、2004年)、陳染『プライベートライフ』(慶應義塾大学出版会、2008年)、李鋭『旧跡』(勉誠出版、2012年)などがある。

定価6,600円 (本体:6,000円)
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