▼安楽死,医師による自殺幇助。大きく報道されるこの法的・倫理的問題は海外ではどのように扱われているのか。
医事法の第一人者,甲斐克則教授編訳のもと,アメリカをはじめ,ドイツ,フランス,そして積極的に安楽死を認めるオランダ等,代表的な国々の法とその運用を,当該国の代表的な研究者が紹介・解説する。

第1部 英米法圏国家の状況
アメリカ合衆国の状況 ―― 第1章 アメリカ合衆国における自殺幇助と法の支配 カール・F・グッドマン / 甲斐克則(訳) T. 延命拒否権としての「死ぬ権利」と医師による自殺幇助の権利との相違 U. 憲法上自殺幇助の権利はない V. インフォームド・コンセントおよび「身体の統合性」の権利と治療拒否権 W. アメリカ合衆国憲法は自殺幇助の権利を創出しない X. 自殺幇助罪の成否と陪審員の判 ……
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【編訳者】 甲斐 克則(かい かつのり) 早稲田大学大学院法務研究科(法科大学院)研究科長,同教授。広島大学名誉教授。日本医事法学会代表理事,日本生命倫理学会代表理事,日本刑法学会理事。1954年生まれ。九州大学法学部卒業,九州大学大学院法学研究科博士課程単位取得,法学博士。九州大学法学部助手,海上保安大学校専任講師,同助教授,広島大学法学部助教授,同教授を経て,現職。 著書に,ペーター・タック『オランダ医事刑法の展開』(編訳,慶應義塾大学出版会,2009年),『医事刑法研究1 安楽死と刑法』(成文堂,2003年),『医事刑法研究2 尊厳死と刑法』(成文堂,2004年),『医事刑法研究3 被験者保護と刑法』(成文堂,2005年),『医事刑法研究4 生殖医療と刑法』(成文堂,2010年),『医事刑法研究5 医療事故と刑法』(成文堂,2012年),『医事法講座1 ポスト・ゲノム社会と医事法』(編著,信山社,2010年),『医事法講座2 インフォームド・コンセントと医事法』(編著,信山社,2011年),『医事法講座3 医療事故と医事法』(編著,信山社,2012年),『医事法講座4 終末期医療と医事法』(編著,信山社,2013年),『医事法講座5 生殖医療と医事法』(編著,信山社,2014年),『医事法講座6 臓器移植と医事法』(編著,信山社,2015年),『シリーズ生命倫理学5 安楽死・尊厳死』(共編著,丸善出版,2012年)ほか多数。
(※[ ]内は、担当章) 【共訳者】 新谷 一朗(しんたに かずあき) [第2章] 海上保安大学校准教授
福山 好典(ふくやまよしのり) [第3・6・8・9章] 姫路獨協大学法学部専任講師
天田 悠(あまだ ゆう) [第3・9・10章] 早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程
久藤 克子(ひさふじ かつこ) [第5章] 岡山県立大学保健福祉学部教授
柿本 佳美(かきもと よしみ) [第7章] 奈良女子大学非常勤講師,同大学アジア・ジェンダー文化学研究センター研究員
【著者】 カール・F・グッドマン(Carl F. Goodman) [第1章] アメリカ合衆国・ニューヨーク州弁護士、ジョージタウン大学法律センター招聘教授、元広島大学教授)
シーラ・マクリーン(Sheila A. M. McLean) [第2章] イギリス・グラスゴー大学名誉教授,前「医療の法と倫理」研究所所長・教授
ペニー・ルイス(Penney Lewis) [第3章] イギリス・ロンドン大学キングズ・カレッジ「生命倫理と法」研究所教授
ジョージ・ムスラーキス(George Mousourakis) [第4章] ニュージーランド・オークランド大学法学部上級講師
ハロー・オットー(Harro Otto) [第5章] ドイツ・バイロイト大学名誉教授
ヘニング・ローゼナウ(Henning Rosenau) [第6章] ドイツ・ハレ大学法学部教授
クリスティアン・ビック(Christian Byk) [第7章] フランス・パリ控訴院判事,比較法フランスセンター理事会委員,法・倫理・科学国際学会事務局長
アグネス・ヴァン・デル・ハイデ(Agnes van der Heide) [第8章] オランダ・エラスムス大学メディカルセンター教授
リュック・デリエンス(Luc Deliens) [第9章] ベルギー・ブリュッセル大学医学部教授
シュテファン・ブラウム(Stefan Braum) [第10章] ルクセンブルク・ルクセンブルク大学法学部教授
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