ドイツ憲法学の主要問題に切り込む。 ▼ドイツ立憲主義の確立期、基本法下における立憲主義の完成期、そしてグローバル化・ヨーロッパ化の中での国民国家の変容という3つの観点から、立憲主義研究の第一人者として知られるライナー・ヴァール教授の著作を編成。立憲主義の確立から将来像まで、その変容を骨太に描き出す! 気鋭の憲法学者小山剛教授が編成・監訳した注目の論文集。
▼憲法の優位を維持しつつ連邦憲法裁判所に抑制を求めるヴァール教授の見解は、ドイツはもとより、日本でも高い関心と共感が寄せられている。また、ヨーロッパ化、グローバル化の進むドイツにおいては、国民国家や憲法といった基本観念にまで変容が生じうるとし、公法発展の新しい段階としてその概要の分析・考察を行うヴァール教授の著作からは、今後グローバル化に直面していく日本の公法学は多くを学ぶことができる。

序 言
T 公法の50年間の発展 A. 現行公法史は何のためにあるのか? B. 50年代の公法建設期 T. 建設期における法のメルクマール U. 法発展の第一段階における公法の構造メルクマール C. 建設期後の法発展―社会の変動および新しい国家任務への回答 T. 社会の変遷――新しい国家任務――法の複合的リアクション U. 計画と、地域的計画に関する法 V. 環境保護と環境法 W. リス ……
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【著者】 ライナー・ヴァール(Rainer Wahl) 1941年生まれ。1969年にハイデルベルク大学より法学博士号を、1976年にビーレフェルト大学より教授資格を授与される。ボン大学教授を経て、1978年より2006年までフライブルク大学公法学講座教授。1998年〜99年、ベルリン高等研究所(Wissenschaftskolleg in Berlin)研究員を兼務。1998年以降、日独憲法学シンポジウムをドイツ側代表者として定期的に主催。
【訳者】(掲載順) 小山 剛(監訳者) (慶應義塾大学法学部教授) 斎藤 誠 (東京大学大学院法学政治学研究科教授) 上村 都 (新潟大学法学部准教授) 野呂 充 (大阪大学大学院高等司法研究科教授) 石塚壮太郎 (慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程) 柴田 憲司 (東洋大学法学部非常勤講師) 宮地 基 (明治学院大学法学部教授) 岡田 俊幸 (日本大学大学院法務研究科教授) 栗城 壽夫 (聖学院大学大学院特任教授・東亜大学大学院客員教授・大阪市立大学名誉教授・ 上智大学名誉教授) 岩間 昭道 (法政大学大学院法務研究科教授) 石村 修 (専修大学大学院法務研究科教授) 玉蟲 由樹 (福岡大学法学部教授) 鈴木 秀美 (大阪大学大学院高等司法研究科教授) 三宅 雄彦 (埼玉大学経済学部教授)
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