断片化し、多様化する現代社会を、一挙に捉える! ▼社会システム理論によって、現代社会のリアリティはどのように捉えられるか? その知見を踏まえ、私たちはどのような未来をつくることができるのか? 気鋭の社会学者・井庭崇が、宮台真司、熊坂賢次、公文俊平という当代きっての論客を迎え、徹底討論。 読者のリアリティに、新たな知をプラスする! ▼それぞれの対談の中で、各人が影響を受けたニクラス・ルーマン、タルコット・パーソンズや複雑系などを取り上げ、イラストも用いつつ、分かりやすく解説しているため、社会システム理論の入門書としても広く求められる好著。
プロローグ
序章 社会をシステムとして捉える―社会システム理論入門 井庭 崇
■物事を捉えるフレームワークの進化 ■ルーマンの社会システム理論の全体像 ■社会の構成要素はコミュニケーションである ■コミュニケーションは相互調整的に創発する出来事である ■コミュニケーションの連鎖としての社会システム ■コミュニケーションの連鎖を支えるコミュニケーション・メディア ■近代社会は自律的な諸機能システムからなる ■人間は社会の構成要素ではない
第1章 社会を変える知と方 ……
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【編著者】 井庭 崇(Iba Takashi) 慶應義塾大学総合政策学部准教授 1974年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、同大学大学院政策・メディア研究科博士課程修了。博士(政策・メディア)。 日本学術振興会特別研究員(DC1)、千葉商科大学政策情報学部専任教員(助手)、慶應義塾大学総合政策学部専任講師、マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院 Center for Collective Intelligence 客員研究員等を経て、現職。 著書に、『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』(共著、NTT出版、1998年)等。
【著者】 宮台真司(みやだい しんじ) 1959年生まれ。首都大学東京教授、公共政策プラットフォーム研究評議員。社会学博士。援助交際、サブカルチャー、オウム問題、都市・郊外、少年犯罪、学級崩壊、盗聴法、天皇論、外交問題等、幅広い対象に対する発言を行っている。鋭い社会分析の背後には、ニクラス・ルーマンの社会システム理論等の理論社会学と思想史の裏付けがある。著書に、『権力の予期理論』(1989年)、『サブカルチャー神話解体』(1993年:共著)、『制服少女たちの選択』(1994年)、『終わりなき日常を生きろ』(1995年)、『まぼろしの郊外』(1997年)、『人生の教科書「よのなか」』(1998年)、『M2:われらの時代に』(2002年:共著)、『絶望から出発しよう』(2003年)、『限界の思考』(2005年:共著)、『14歳からの社会学』(2008年)、『日本の難点』(2009年)、『システムの社会理論』(2010年)など。
熊坂賢次(くまさか けんじ) 1947年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部教授、元・環境情報学部学部長。財団法人 ソフトピアジャパン理事長。現代の複雑多様化した社会を理解するために、理解の方法をつくり直すところから取り組んでいる。企業との共同研究も活発に行い、大量のデータから意味を見出す研究を現場とともに行う。社会分析図式のベースには、タルコット・パーソンズの社会システム理論がある。著書に、『行動と社会』(1980年)、『インフォスケープ:情報と環境の新たな地平』(1994年:共著)、『知の風景:インフォスケープの展開』(1996年:共著)、『未来からの留学生』(1996年:共編)、『未来を創る大学:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)挑戦の軌跡』(2004年:共編著)、『創発する社会』(2006年:共著)など。
公文俊平(くもん しゅんぺい) 1935年生まれ。多摩大学情報社会学研究所所長・教授。情報社会学会会長。経済学博士。東京大学教養学部教授、国際大学GLOCOM(グローバル・コミュニケーション・センター)所長などを歴任。近代化の最終発展段階としての情報社会の研究に取り組む。1970年代に独自の社会システム理論を提唱。著書に、『社会システム論』(1978年)、『文明としてのイエ社会』(1979年:共著)、『情報文明論』(1994年)、『文明の進化と情報化:IT革命の世界史的意味』(2001年)、『情報社会学序説:ラストモダンの時代を生きる』(2004年)、『情報社会学概論』(2010年:編著)、『情報社会のいま:新しい智民たちへ』(2011年)など。
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