名誉としての議席
近世イングランドの議会と統治構造
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エリザベスI世の時代、議会とはいかなるものであったのか ▼16世紀エリザベス治世期における議会の儀礼的側面、議事手続の実態、議員と選挙区の関係を、一次資料から追究。国王の表象戦略や、パトロネジ・ネットワークの分析から、新たに勃興した有力階層=ジェントリと中央政府との関わりを捉え、「名誉としての議席」の争奪が国制に組み込まれた、テューダー朝期独自の統治構造を明らかにする実証的研究。
▼近代と革命のアナクロニズムに捉われた研究史を批判的に乗り越え、イングランド議会史の再構築を目指す気鋭の力作。

歴史学研究 No.896に書評が掲載されました(井内太郎氏評)。
ピューリタニズム研究 第6号に書評が掲載されました。(小畑俊太郎氏評)
出版ニュース 2011年7月下旬号「ブックガイド」(33頁)に紹介されました。

はじめに
序章 テューダー朝期イングランドの統治機構と政治社会 一 テューダー朝期における統治機構 二 議会の形成過程と制度的概観 三 ジェントリという階層 四 テューダー朝期イングランドにおける統治技法 五 小括
第一章 近世イングランド議会史研究の現状と課題 一 学説史 二 議員選出要因をめぐる諸問題 三 小括
第二章 議会儀礼 一 問題の所在 二 議会行進 三 礼拝式 四 小括
第三章 下院の議事手続 一 問題の所 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
仲丸英起(なかまる ひでき) 1978年生まれ。2009年、慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻西洋史学分野後期博士課程単位取得退学。博士(史学)。 現在、慶應義塾大学文学部・東京国際大学経済学部非常勤講師。 主要業績に、「近世イングランド議会史像をめぐって―エリザベス治世期を中心に」(『歴史学研究』第845号、2008年)、「近世イングランドにおける議会行進と礼拝式―エリザベス治世期を中心に」(『西洋史学』第233号、2009年)、「ある下院議員の生涯―エリザベス期『ピューリタン』ピーター・ウェントワースの再検討」(『ピューリタニズム研究』第4号、2010年)、などがある。
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