拓殖大学研究叢書(社会科学)36
徳富蘇峰とアメリカ
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戦前最大の言論人の対米観を、詳細に追う。 ▼ 徳富蘇峰(1863〜1957)は明治・大正・昭和の三代を通じて活躍したジャーナリスト、歴史家である。ベストセラーを含む300冊以上の著書を残し、新聞・雑誌で旺盛な言論活動を行った彼は、各界リーダーに比類のない影響力をもち、世論の形成に大きな役割を果たしたことで知られる。 ▼本書は明治初めの少年期から昭和戦後に94歳で亡くなるまで、蘇峰のアメリカ観がどのように育まれ、展開されていったのか、多数の資料を駆使して明らかにしたものである。近代日本を代表する言論人・蘇峰は、大国アメリカといかに向き合ったのか。現代にも通じる日本人の対米心理を考える上で、本書は貴重な示唆をもたらすであろう。
発行=拓殖大学、制作・発売=慶應義塾大学出版会

前編 日露戦争前 第一章 少年期の「アメリカ」受容 はじめに 一 アメリカの知識を得るまで 二 アメリカとの接触―熊本洋学校時代 三 アメリカへの敬意―同志社英学校時代 四 アメリカへの嫌悪感の萌芽 おわりに
第二章 青年期のアメリカへの憧憬と抵抗 はじめに 一 西洋列強のアジア進出への危機感 二 西洋への抵抗とアメリカの理想化 三 アメリカ認識における二重の視線 おわりに
第三章 明治二十年代の大日本膨脹論とアメリカ ……
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澤田次郎(さわだ じろう) 博士(法学)、近代日本政治思想史専攻。 昭和40年生まれ。平成6年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程単位取得退学。尚美学園大学総合政策学部助教授、同教授を歴任し、平成21年より拓殖大学政経学部教授。 主要業績に、『近代日本人のアメリカ観―日露戦争以後を中心に―』(慶應義塾大学出版会、平成11年)、『帝大新人会研究』(共著、慶應義塾大学法学研究会、平成9年)、『満州事変の衝撃』(共著、勁草書房、平成8年)などがある。
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