人格障害犯罪者に対する刑事制裁論
確信犯罪人の刑事責任能力論・処分論を中心にして
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確信犯罪人の刑事責任能力と刑事制裁論を中心に。 ▼「人は、何故、理不尽に人を殺すのか」。確信犯罪人に対する「社会治療」による社会復帰の可能性を探究する。 ▼被害者の応報感情への配慮と、治療による社会復帰可能性の重視。この相克を克服する現在の刑事政策論の問題について、人間の尊厳維持のために死刑廃止論を前提に論究。

まえがき
序論 ボーダーレス社会における犯罪現象とその刑事制裁システム [1] 問題の所在 [2] 刑事政策の二極化について―ボーダレス社会の刑事政策の方向性 [3] 刑事政策の二極化と刑事制裁制度の在り方 [4] 反処遇思想(医療モデルの克服)と新しい犯罪者処遇モデルの誕生 [5] ドイツにおけるボーダーレス型犯罪に対する刑事政策 [6] 結びにかえて
第1編 人格障害犯罪者に対する刑事制裁制度について ―特に、人格障害(精神病質)犯罪者 ……
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加藤久雄(かとう ひさお) 1942年生(名古屋) 大阪大学大学院法学研究科博士課程単位取得中退。法学博士。 国際比較刑事政策研究所所長、弁護士。元慶應義塾大学法学部教授、ミュンヘン大学客員教授。 日本犯罪学会国際担当理事、日本精神保健政策学会理事。 専門は、国際比較刑事政策、国際比較医事刑法、少年法、犯罪学。 著書に、『犯罪学25講』(共著・1973年・慶應通信)、『治療・改善処分の研究』(1981年・慶應通信)、『犯罪者処遇の理論と実践』(1984年・慶應通信)、『刑事政策学入門』(1991年・立花書房)、『組織犯罪の研究―マフィア、ラ・コーザ・ノストラ、暴力団の比較研究』(1992年・成文堂)、『暴力団』(岩波ブックレットNo.323・1993年・岩波書店)、『ボーダーレス時代の刑事政策』(1999年・改訂版・有斐閣)、『人格障害犯罪者と社会治療』(2002年・成文堂)、『ポストゲノム社会における医事刑法入門』(2005年・新訂(補正)版・東京法令出版)他。
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