「現代歴史学の海図」待望の第2版の翻訳、刊行! ▼歴史学の研究にとって社会理論が有効であることに明快に説いた『歴史学と社会理論』(原著初版(1991))から13年、その間に起こった変化を解説すべく大幅に加筆した第2版(2005)の翻訳。特に「ポストモダニズム」などの現代思想の歴史学への影響については新章(第6章)を設けて解説。 ▼初心者にもわかりやすいよう、400近くもの訳注を掲載し、人名・事項を解説。また、本書を軸として勉強・研究を進められるよう、参考文献に邦訳版書誌データを併記。
序文 第二版への序文
第一章 理論家と歴史家 耳の悪い者同士の対話 歴史学と社会学の分化 過去の無視 社会史の興起 理論と歴史の収斂
第二章 モデルと方法 比較 モデルと類型 数量的方法 社会的顕微鏡
第三章 中心的な諸概念 役割とパフオーマンス 性とジェンダー 家族と親族 コミュニティとアイデンティティ 階級と身分 社会的移動性Social Mobilityと社会的区別 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 ピーター・バーク(Peter Burke) ケンブリッジ大学名誉教授。 1937年生まれ。ケンブリッジ大学文化史講座の名誉教授、イマニュエルカレッジの名誉校友(フェロー)。オックスフォード大学を卒業後、同大学聖アントニーカレッジで研究、博士論文執筆中にサセックス大学に招聘される。同大学で16年間の教員勤務の後、ケンブリッジ大学に移り、文化史講座教授を長く担任。 New Cultural History を提唱し、「文化史」概念を刷新。ヨーロッパ史家、文化史家として世界的に著名な歴史家。 著書に、The Fabrication of Louis XIV(1994)[邦訳『ルイ14世――作られた太陽王』名古屋大学出版会];Culture and Society in Renaissance Italy (1999)[邦訳『イタリア・ルネサンスの文化と社会』岩波書店];A Social History of Knoeledge: From gutenberg to Diderot (2000)[邦訳『知識の社会史――知と情報はいかにして商品化したか』新曜社];What is Cultural History? (2004)[邦訳『文化史とは何か』法政大学出版局]など多数。
【訳者】 佐藤公彦(さとう きみひこ) 1949年生まれ。東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。中国近代史・東アジア国際関係史専攻。 著書に、『義和団の起源とその運動――中国民衆ナショナリズムの誕生』研文出版、1999年;『「氷点」事件と歴史教科書論争――日本人学者が読み解く中国の歴史論争』日本僑報社、2007年;『上海版歴史教科書の「扼殺」――中国イデオロギー的言論統制・抑圧』日本僑報社、2008年;『宗教の比較文明学』[共著]春秋社、1992年;『黒旗軍――十九世紀中国の農民戦争』[訳書]研文出版、1987年など。
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