自由主義期からファシズムへと傾斜する時代のイタリア文化史。雑誌を介して結ばれた知識人、出版人、読者を描きながら、批判とプロパガンダというジャーナリズムの両義的性格を解明する。史料編として、雑誌の創刊意図を記した同時代史料の邦訳を収載。


巻頭言 安西祐一郎 刊行にあたって 小林良彰 序 倉科岳志
第1部 研究編 第1章 ナショナリズムの起源――『レーニョ』、『レオナルド』におけるコッラディーニ、パピーニ、プレッツォリーニ(1903年―1907年)―― 倉科岳志 はじめに T イタリア人のコンプレックス U E・コッラディーニによる戦争の美化 V G・パピーニによる民主主義批判 W G・プレッツォリーニによる実践的提案 おわりに――イタリア・ナショナリズ ……
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【編者】 倉科岳志(くらしな たけし) 慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程 1975年生まれ。2003年慶應義塾大学大学院法学研究科前期博士課程修了。立教英国学院教師(1998年―2000年)。専攻はイタリア近現代史・思想史。 主要著作に、「イタリア文学史を通じた自由主義信仰――デ・サンクティスからクローチェへ――」『日伊文化研究』XLII(2004年3月)、「クローチェによる知的覇権の実践的確立とその崩壊――20世紀前半におけるクローチェとプレッツォリーニの思想的関係とその歴史的意義――」『日伊文化研究』XLIII(2005年3月)、「クローチェと第一次世界大戦――ジェンティーレとの関係を中心に」『日伊文化研究』XLIV(2006年3月)など。
【著者】 小林勝(こばやし まさる) 東京音楽大学准教授(イタリア語担当) 1949年生まれ。1977年早稲田大学大学院文学研究科西洋史専攻修士課程修了。専攻はイタリア社会文化史。 主要著作に、「両大戦間におけるフィレンツェ文化の概観」『東京音楽大学研究紀要』第16集(1992年12月)、「パピーニとプレッツォリーニ――世紀転換期のフィレンツェ――」『社会科学討究』第120号(1995年12月)、「第一次大戦とプレッツォリーニ」『地中海研究紀要』第3号(2005年3月)など。
新谷崇(あらや たかし) 東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程 1977年生まれ。2006年東京外国語大学大学院博士前期課程修了。毎日新聞社勤務(記者職、2003年―2005年)専攻はイタリア近現代史・思想史。 主要著作に、「ガエターノ・サルヴェーミニの思想と行動について――リビア戦争を巡る『ラ・ヴォーチェ』離脱から『ウニタ』創刊まで――」(東京外国語大学大学院修士学位論文、2006年3月)など。
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