新進気鋭による市民的不服従論。 ▼自由な市民がなぜ国家の法に従わなければならないか(=政治的責務)を理論的に正当化する試みと、なぜ特定の条件下で法を破ることが正当化されるのかという政治哲学・法哲学上の壮大なテーマ(=市民的不服従)を、ロールズを参照しつつ理論的に一貫した体系をもって繋ごうとした挑戦的研究。
巻頭言 安西祐一郎 刊行にあたって 小林良彰
序章 なぜ支配は正当化されるのか I リベラリズムとアナーキズム II 国家の正当性と正統性 III 正義論と政治的責務論 IV ロールズの問題点 V 主題および要件 VI 成立要件 VII 本書のテーマ
第1部 政治的責務 第1章 同意は拘束する――社会契約を中心に I 任意主義 II 正統性とコミットメント III 不可譲の権利、パターナリズム、アナーキズム ……
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鈴木正彦(すずき まさひこ) 1976年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学、慶應義塾大学、2007年)。 主要論文に、「正義と狂信――R・M・ヘアーの政治哲学」『法学政治学論究』第58号(2003年)、“Political Obligation and the Problem of Consent Theory”, Journal of Political Science and Sociology, No. 2, 2004、「ハンナ・アーレントにおける約束、良心、そして政治的なものの概念」『情況』(2005年7月号)、「良心的兵役拒否論に見るリベラルデモクラシーの規範的前提」『政治思想研究』第7号(2007年)など。訳書に、イシュトヴァン・メサローシュ『社会主義か野蛮か』(共訳、こぶし書房、2004年)、マイケル・ウォルツアー『戦争を論じる』(共訳、風行社、近刊)など。
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