EU市民権がアイデンティティをどう変えているか。 ▼フランスで、最も多いEU諸国出身者であるポルトガル系移民を事例に、EU市民権制定後(1992年マーストリヒト条約)の市民意識やアイデンティティの変容に関する現状分析を、文書分析とフランスでの現地調査(アンケートやインタビュー調査)をもとに行う。
EU市民権はポストナショナルな市民権か、それともナショナリズムを復活させるのか?というEU市民権のパラドクスに迫り、ヨーロッパにおけるエスニック・マイノリティとの共存を考える。 日本の外国人地方参政権を考えるうえでも、フランスのポルトガル系市議の市民意識を徹底分析した本書は参考にできる一冊である。

東京新聞 2010年7月25日読書面「テーマを読み解く」(8面)で紹介されました。
フランス教育学会「フランス教育学会紀要」 2008年第20号「書評」欄で紹介されました。 europe 2008年冬号(第252号)「新刊案内」(27頁)で紹介されました。

巻頭言 安西祐一郎 刊行にあたって 小林 良彰
序章 I 本書の目的 II 研究の方法および調査の概要 III 本書の構成
第1部 EU市民権の法的・政治的・社会的影響――EUと国家 第1章 EU市民権の歴史的経緯と内容 はじめに I EU市民権の歴史的経緯 II 欧州連合「市民権」 III EU市民権の特徴 おわりに
第2章 構成国におけるEU市民権の影響 はじめに I E ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
鈴木規子(すずき のりこ) 金城学院大学非常勤講師。 1972年生まれ。2003年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。博士(法学)。フランス・ストラスブール大学政治学院DEA(博士論文提出資格)取得。 主な研究分野は、政治社会学およびフランス政治・社会・教育。 主要論文に、「外国人から市民へ――投票するEU市民」田中俊郎・庄司克宏編『EUと市民』(慶應義塾大学出版会、2005年)、「ヨーロッパ市民権制定と『ヨーロッパ人』アイデンティティーの形成――外国人地方参政権を認めたフランスの結果」『日本EU学会年報』第23号(2003年)、「フランスにおける市民性教育の現状と課題――政治・社会学的視点からの『市民性』概念の整理と現状分析――」『日仏教育学会年報』第12号(2005年版)、« Les électeurs communautaires : problèmes de l’application de la directive 94/80 en France », Journal of Political Science and Sociology, No.5, 2006など。
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