EU市民権と市民意識の動態
巻頭言 安西祐一郎 刊行にあたって 小林 良彰
序章 I 本書の目的 II 研究の方法および調査の概要 III 本書の構成
第1部 EU市民権の法的・政治的・社会的影響――EUと国家 第1章 EU市民権の歴史的経緯と内容 はじめに I EU市民権の歴史的経緯 II 欧州連合「市民権」 III EU市民権の特徴 おわりに
第2章 構成国におけるEU市民権の影響 はじめに I EU市民への居住国における参政権に関する2つの欧州理事会指令 II 欧州議会選挙に関する指令93/109 の適用と欧州議会選挙の結果 III 欧州議会選挙とEU市民権に関する問題点 IV 居住国における地方参政権に関する指令94/80と構成国の適用 V 外国人地方参政権の実態とEU市民権の予想 結びにかえて――外国人地方参政権に関するEU市民権の問題提起
第3章 EU市民権の影響――ドイツの例 はじめに I ドイツ国籍法改正 II 社会的要因 III 政権交代による影響 IV EU市民権の影響 結び
第4章 EU市民権の影響――フランスの例 はじめに I 指令94/80の適用が遅れた原因 II EU市民への参政権の内容 III EU市民権の社会的・政治的影響――EU市民からすべての外国人へ IV EU市民権の帰結――国民国家のゆらぎとEUレベルでの収斂 結び
第2部 EU市民たちの地方参政権行使と市民意識の実態――フランスのポルトガル人を事例に 第5章 フランス市町村議会選挙へのEU市民の参加 はじめに I 2001年フランス市町村議会選挙の結果 II 選挙権行使と意識の関係――「ヨーロッパ人」アイデンティティーの形成か III 移民と母国および居住国の国民との意識の違い――ユーロバロメーターをもとに 結び
第6章 フランスにおけるポルトガル系移民――移住の歴史、特徴、政治文化 はじめに I 戦後フランスの移民政策から統合政策へ II ポルトガルからの移民――移住の歴史にみる2つの波 III ポルトガル大量移民の「プッシュ―プル」要因 IV 移民の社会的状況 V フランスのポルトガル系移民たちの人口 VI フランス社会への統合 VII ポルトガル系移民のアイデンティティー VIII ポルトガル系移民の政治文化 結び
第7章 ポルトガル人たちのEU市民権行使と市民意識に関する調査結果 ――ポルトガル人市議のデモグラフィー はじめに I 「ポルトガル国籍のみ」と「フランス国籍あり」の議員の数と国籍の分類 II 議員の性別 III 議員の年齢 IV 出生地 V 議員の役職 VI フランスへの移住 VII フランスでの居住歴 VIII フランスでの居住地 IX 最終学歴 X 職業 XI 所属政党 XII アソシアシオンへの参加
第8章 ポルトガル人市議の投票行動よ市民意識 はじめに I ポルトガル人議員たちの地方参政権の行使の実態 II EU構成国出身者に対する地方参政権の付与について III 投票したときの意識と国籍 IV 市民意識と国籍 V 投票したときの意識と市民意識に関する考察 VI アイデンティティーと国籍 VII EU市民権について
終章 I EU市民権の行使の実態 II ポルトガル人議員のアイデンティティーとヨーロッパ人意識 III EU市民権のパラドクス IV EU市民からすべての外国人への地方参政権の付与について V 今後のEU市民権のゆくえ
追補 「調査について」 参考文献一覧 あとがき 索引
追補目次 A 在仏ポルトガル人議員に対する調査の概要 B インタヴュー調査対象者リスト C EU市民権に関するアンケート(原文および日本語訳) D ポルトガル国籍のみの市議会議員のプロフィール E アンケート回答結果 F 調査資料 「大使館2004」 G EU市民権の規定
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