「歴史的景観の破壊は、人々の心を荒廃させる!
日本の美しい自然は、古来から歌人や思想家に感動を与え、多くの作品を生み出してきた。 そしてそれらは人々に喜びと発見を与え、日本人ならではの豊かな精神を育んできた。 本書は、文学と自然の深い結びつきを例証し、「開発」の名のもとに進む歴史的景観の破壊に対し、厳しい警鐘を鳴らしている。」 中村敦夫(俳優・作家)
自然景観や歴史的景観を壊すか残すかという問題は、単に環境問題の領域にとどまるものではない。私たちがどのような風景や景観の中で暮らすかという問いは、私たちの生活の質そのものにまで及んでいるのである。本書では、山野河海の、在りし日の名勝の美しさを、古典に謳われた多数の歌や写真、図版とともに紹介しつつ、現在の惨憺たる乱開発の状況を重ね合わせ、理念なき環境行政のあり方に警鐘を鳴らす。
「自然の権利」基金通信 vol.41「BOOK REVIEW」(4頁)で紹介されました。 国文学 解釈と鑑賞 2007年4月号「新刊紹介」(252頁)で紹介されました。 本の窓 2007年3・4月合併号(87頁)で紹介されました。 日本経済新聞 2007年1月21日「読書」欄(19面)で紹介されました。 BE-PAL 2007年2月号「書評」欄(164頁)で紹介されました。 朝日新聞 2006年12月24日「読書」欄「書評委員お薦め<今年の3点>」で紹介されました。 國文学 2007年1月号(105頁)で紹介されました。 山梨日日新聞 2006年12月3日「読書」欄で紹介されました。 神戸新聞 2006年11月19日朝刊「読書」欄で紹介されました。
第一章 美しかった日本、壊れゆく日本 1 風景はいかにしてつくられたか 2 歴史的景観の成立 3 歴史的景観の破壊 第二章 破壊された景観 1 海浜 三保の松原 / 松島 / 天の橋立 / 佐野の浜 / 鞆の浦 / 千本松原 / 沖縄の海 / 新潟砂丘 2 山野 姥捨山 / 碓氷峠 / 大原野 / 吉野山 / 武蔵野 / 富士山 3 湖水と川 琵琶湖 / 諏訪湖 / 川辺川 / 吾妻渓谷 / 春の小川 4 都市と生活 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
川村晃生(かわむら てるお) 慶應義塾大学文学部教授 日本文学、環境人文学 1946年生まれ。 主要著作:『環境学事始め』(共著、慶應義塾大学出版会、1999年)、『日本文学から「自然」を読む』(勉誠出版、2004年)など。
浅見和彦(あさみ かずひこ) 成蹊大学文学部教授 日本文学、環境日本学、地域文化論 1947年生まれ。 主要著作:『徒然草、方丈記、歎異抄』(朝日新聞社、2001年)、『説話と伝承の中世圏』(若草書房、1997年)など。
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