ケータイとネットの関係、マクルーハン理論を応用したケータイ論、ケータイの起源を19世紀の箱形カメラにみるエルキ・フータモの「モバイル・メディアの考古学」、テレビ電話はなぜ駄目なのかを 説明する認知科学的考察、2006年開始予定の民放キー局のケータイテレビ放送(ワンセグ)についての論考など、社会調査や企業情報からだけでは見えてこない多彩な内容のこれまでにないケータイ文化論。


言語 2006年8月号「言語圏α」(120頁)で紹介されました。 図書新聞 2006年3月25日発行 第2767号(5面)で紹介されました。 出版ニュース 2006年3月中号(23頁)で紹介されました。 毎日新聞 2006年2月7日朝刊 コラム「発信箱」で紹介されました。

はじめに 室井尚
I モバイル・フューチャー パソコン通信からケータイへ ――ネット・コミュニティの変貌 大澤真幸、山川隆 コメンテーター・佐久間信行 司会・室井尚 ケータイとTV ――通信と放送の融合をめぐって 佐野徹 聞き手・水島久光、室井尚 ケータイとユビキタスコンピューティング ――端末と環境の関係をめぐって 北川高嗣 聞き手・水島久光、室井尚 ケータイというメディア ―― ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
粟谷佳司(あわたに よしじ) 一九六八年生まれ。現在、関西大学他で非常勤講師。専門は社会学、メディア文化研究。著書には『ポピュラー音楽へのまなざし』(勁草書房、二〇〇三<共著>)、『メディア時代の広告と音楽』(新曜社、二〇〇五)、論文には「メディア研究における「空間」の問題」(『大阪産業大学経済論集』第六巻第二号、二〇〇五)などがある。
池田淑子(いけだ よしこ) 一九六〇年生まれ。現在、大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程。専門は言語文化学、特に映画・映像研究。論文には「他者の表象のアンヴィヴァレンス――映画『ガンホー』と『ブラック・レイン』の日本人のステレオタイプに見られるアメリカ個人主義の不安と両義性――」(『大阪大学言語文化学』一二、二〇〇三)、「『桃太郎・海の神兵』(一九四五)に映し出されるイメージとしての<日本>」(『表象と文化I』言語文化共同研究プロジェクト二〇〇四、大阪大学言語文化研究科)などがある。
エルキ・フータモ(Erikki Huhtamo) 一九五八年生まれ。フィンランドのメディア研究者、作家、キュレーター。現在はカリフォルニア大学ロサンジェルス校のデザイン・メディアアート学科教授として、メディア史、メディア理論を教えている。メディア考古学、メディアアートに関する多くの著作のほか、展覧会の企画、テレビ番組の監督などを行ってきた。
大澤真幸(おおさわ まさち) 一九五八年生まれ。現在、京都大学人間・環境学研究科助教授。専門は比較社会学、社会システム論。著書には、『行為の代数学』(青土社、一九八八)、『電子メディア論』(新曜社、一九九五)、『帝国的ナショナリズム』(青土社、二〇〇四)、『現実の向こう』(春秋社、二〇〇五)などがある。
北川高嗣(きたがわ たかし) 一九五六年生まれ。現在、筑波大学大学院システム情報工学研究科教授。二〇〇三年よりメディアスティック株式会社取締役にも就任。専門はメディア情報システムデザイン。著書には、『キーワードで見るマルチメディアな風景――想像力がパワーを持つ時代――』(時事通信社、一九九六)、"Data Mining and Reverse Engineering" (IFIP, Chapman & Hall, 1998) 、『情報学事典』(弘文堂、二〇〇二〈共編著〉)などがある。
小池隆太(こいけ りゅうた) 一九七一年生まれ。現在、山形県立米沢女子短期大学講師。専門は現代思想、文化記号論、写真論。論文には、「Roland Barthes, L'Empire des signesにおけるエクリチュールと写真の問題について」(『関西フランス語フランス文学』第6号、日本フランス語学会関西支部、二〇〇〇)、「士郎正宗作品における「女性」」(『マンガ研究』vol.6、日本マンガ学会、二〇〇四)などがある。
齋藤豪助(さいとう ごうすけ) 一九七四年生まれ。現在、株式会社 KDDI総研企画調査グループ研究主査。専門は情報通信分野に関わる市場動向調査・分析。現在は、欧米・アジアの主要国等の海外を中心とした各種情報通信分野(モバイル・ブロードバンド・コンテンツ等)に関わる市場動向調査・分析を実施。
佐久間信行(さくま のぶゆき) 一九四四年生まれ。現在、社団法人電気通信協会IT事業部長、産業部会事務局長兼務。専門は通信基幹網技術、モバイル通信の技術・サービス・マーケット。著書には情報通信総合研究所編『情報通信アウトレット』(NTT出版、一九九八?二〇〇三年の各年)などがある。現職では、各種研究会・委員会(ブロードバンド・ユビキタス研究会等)を主催。
佐野徹(さの とおる) 一九六七年生まれ。現在、日本テレビ放送網株式会社メディア戦略局。デジタル放送や放送・通信連携に関する新規ビジネスの企画、立案、推進業務を担当。特に地上デジタル放送携帯端末向け放送(ワンセグ)については、社団法人地上デジタル放送推進協会携帯サービス検討会の主査として、ビジネスモデルや規格内容の取りまとめを担当。著書には『1セグ放送教科書』(インプレス、二〇〇五〈共著〉)などがある。
立花義遼(たちばな よしはる) 一九四一年生まれ。現在、武蔵野美術大学教授。専門は心理学、記号論。二〇〇三年から三年にわたって取り組んだ「一九七〇年代日本映画ポスター展」(於・武蔵野美術大学美術資料図書館)に一応の「休止符」を打ち、目下は一九五〇年代末に日活映画で活躍したコメディエンヌ若水ヤエ子のおヤエ<Vリーズに集中。来年はポスターではなく「映画本体」に関わる予定。
原田悦子(はらだ えつこ) 山口県生まれ。現在、法政大学社会学部教授。専門は、認知心理学、認知工学、認知科学。近著には『<家の中>を認知科学する』(新曜社、二〇〇四〈共編著〉)、『「使いやすさ」の認知科学』(共立出版、二〇〇三〈編著〉)などがある。また、実験心理学的な基礎研究と同時に「高齢者の使いやすさ」と「医療安全への認知的取組み」の研究を進めている。
藤本憲一(ふじもと けんいち) 一九五八年生まれ。現在、武庫川女子大学情報メディア学科助教授。専門は情報美学、メディア環境論。著書には『ポケベル少女革命』(エトレ、一九九七)、『ポケベル・ケータイ主義!』(ジャストシステム、一九九七〈共著〉)などがある。
水島久光(みずしま ひさみつ) 一九六一年生まれ。旭通信社、インフォシーク、社団法人日本広告主協会・Web広告研究会を経て、現在、東海大学助教授。専門は、メディア論、情報記号論。主な論文に「情報バラエティのダイクシスとアドレス」(『社会の言語態』、東京大学出版会、二〇〇二)、「メディアと公共性の原理の現在」(『マス・コミュニケーション研究』、日本マス・コミュニケーション学会、二〇〇四)。単著としては『閉じつつ開かれる世界』(勁草書房、二〇〇四)などがある。
室井尚(むろい ひさし) 一九五五年生まれ。現在、横浜国立大学教授。専門は情報文化論、美学、記号論。著書には『情報宇宙論』(岩波書店、一九九一)、『情報と生命』(新曜社、一九九三〈吉岡洋と共著〉)、『巨大バッタの奇蹟』(アートン、二〇〇五)、『教室を路地に! ――横浜国大vs紅テント2739日――』(岩波書店、二〇〇五)などがある。
山川隆(やまかわ たかし) 一九四九年生まれ。現在、株式会社ケイ・オプティコム チーフ・ストラテジー・オフィサー。専門はネットワーク上のサービス構築。一九八四年に米国でCompuServeと巡り合い、富士通、日商岩井によるライセンス取得とニフティ(当時エヌ・アイ・エフ)の設立に繋げた。ニフティ常務取締役、ドコモAOL社長をへて二〇〇四年からNTTドコモにてモバイル社会研究所の設立に加わった後、二〇〇五年九月から現職にて、光ネットワーク上のサービス構築、プロダクト戦略を担当。
山條朋子(やまじょう ともこ) 一九六四年生まれ。現在、株式会社 KDDI総研政策研究グループ研究主査。専門は情報通信政策。現在は、欧米・アジアの主要国等の海外を中心とした情報通信制度、政策に関わる調査・分析を実施。
譲原晶子(ゆずりはら あきこ) 一九六二年生まれ。現在、千葉商科大学教授。専門は舞踏論。著書(共著)には『新編・舞台テレビジョン照明』(日本照明家協会、一九九八〈共著〉)、『生命の知恵・ビジネスの知恵』(丸善ライブラリー、二〇〇〇)、論文には「クペから見たバレエ史」(『美学』二一七、二〇〇四)、「バレエにおけるtemps の概念」(『美学』二二二、二〇〇五)などがある。
吉岡洋(よしおか ひろし) 一九五六年生まれ。現在、情報科学芸術大学院大学教授。批評誌『ダイアテキスト』一〜八巻(京都芸術センター刊、二〇〇〇〜二〇〇三)編集長、「京都ビエンナーレ2003」総合ディレクター。専門は美学、現代思想。著書には『「思想」の現在形』(講談社選書メチエ、一九九七)、訳書にはマーク・ポスター著『情報様式論』(岩波現代文庫、二〇〇一〈共訳〉)などがある。
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