現代社会と著作権法
デジタルネットワーク社会の知的財産権
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「ユーザの利益」か「著作権の保護」か? デジタル・コンテンツ―コンピュータプログラム、音楽著作物、Eラーニングなど―の法解釈をめぐるさまざまな混乱。 著作権法についての国際的動向、国内における最新の研究動向を紹介し、あわせて著作権問題の解決指針を提言する。

第1章 デジタルネットワーク環境における著作権制度の展開 苗村憲司
第2章 著作権法の条理と解釈 小宮山広之
第3章 コンピュータプログラムの著作権に関する理論と判例研究 田中雅敏
第4章 音楽の著作権法をめぐる課題―「記念樹事件」を契機として 安達翼
第5章 Eラーニングにおける第三者著作物利用に関する考察 井上理穂子
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
苗村憲司(なえむら・けんじ) 第1 章 情報セキュリティ大学院大学セキュア社会システム研究所教授。 1940 年生まれ。東京大学工学部卒業後、電電公社・NTT でデータ通信の研究開発に従事。 1992 年より慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。工学博士。2005 年4 月より現職。 専門分野は情報通信、知的財産権、セキュリティ政策。情報ネットワーク法学会理事長、 ISO/IEC JTC1/SC27/WG2 議長。
小宮山宏之(こみやま・ひろゆき) 第2 章 慶應義塾大学総合政策学部教授兼政策・メディア研究科委員。 1942 年生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業、同大学院法学研究科博士課程修了。 商法、著作権法を研究。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで「著作権法・民法・刑法・商 法・法学」を内容とする講義を担当。著書に『マルチメディア社会の著作権』(共著)、 『演習ノート・手形法・小切手法』(共著)、『口語 商法』(共著)等。著作権に関する主 な論文に、本文中に掲記した外に「インターネットの普及と著作権法」法学研究73 巻12 号2000 年12 月等がある。
田中雅敏(たなか・まさとし) 第3 章 1971 年生まれ。1994 年に慶應義塾大学総合政策学部を卒業。1999 年、福岡県弁護士会に 弁護士登録後は、福岡県内にて弁護士活動を行う。現在、鴻和法律事務所パートナー弁護 士。2003 年に弁理士登録をし、九州地区を中心に、商標権、著作権、意匠権、特許権、 不正競争防止法等に関連する事件の処理を手がけるとともに、社団法人発明協会模倣被害 アドバイザー等を通じて、企業及び大学内における知的財産権管理についての環境整備、 啓蒙活動を行う。知的財産権以外の専門分野としては、企業内法務一般、倒産関連法、不 動産・建築関連訴訟、契約等。
安達 翼(あだち・つばさ) 第4 章 1980 年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学院政策・メディア研究科 修士課程修了。ロンドン在住時、英国BBC シンフォニー・オーケストラ、R.スタッグ氏 にフルートを師事。現在は、知的財産権に関して研究中。
井上理穂子(いのうえ・りほこ) 第5 章 1978 年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学院政策・メディア研究科 修士課程修了。現在、政策・メディア研究科博士課程。学部在学時から、教育目的の第三 者著作物利用に関する著作権問題について研究をし、現在は特に、著作権者と利用者の利 益バランスを考慮した、初等中等教育におけるストリーミングコンテンツ配信・利用シス テムについて研究を進めている。
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