自他を共に生かす道をめざし、仏教を対等に受け容れたキリスト教=ユニテリアン。無宗教の人・福澤諭吉が、「独立自尊の道徳」を実践する普遍宗教として期待をよせた、その信仰の実際、明治期の日本に残した影響、福澤との出会いと決別等が、緻密な資料考証により、いま甦る。

序論 宗教における寛容の精神
第1章 ユニテリアンの歴史と特質 1英国ユニテリアンの歴史 2米国ユニテリアンの歴史 3ユニテリアンの特質
第2章 ユニテリアンと福澤諭吉の関わりの始まり 1ユニテリアンによる日本への関心の始まり 2福澤のユニテリアンへの関心の始まり
第3章 福澤はなぜユニテリアンを支援したのか 1来日したナップを支援した人々 2福澤 ……
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土屋 博政(つちや ひろまさ) 1944年生まれ。1973年慶應義塾大学大学院博士課程(英米文学研究科)単位取得満期退学。現在、慶應義塾大学経済学部教授。専門は英米宗教思想史。 主な論文に、「なぜ日本ユニテリアン・ミッションは伸展しなかったのか」(『慶應義塾大学日吉紀要 英語英米文学』No.39、2001年)、「アーサー・ナップと日本ユニテリアン・ミッションの始まり」(同、No.35、1999年)、「新井奥邃と"失敗の成功"」(同、No.21、1993年)、トマス・レイク・ハリスと母なる神」(同、No.20、1992年)、「アン・リーとキリストの再臨」(同、No.2、1985年)、「シェーカー主義の起源と本質」(『慶應大学経済学部日吉論文集』No.32、1983年)など
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