近代日本社会におけるあるべき宗教の姿を福澤はどのように捉えていたのか。その宗教観の変遷を著作を年代順にたどりなから、時代背景、海外の思想家(J.S.ミル、F.ウェーランド)との影響などを含め考察する。 自ら無信仰を公言してはばからなかった福澤が、晩年になって到達した独自の宗教哲学ともいうべき境地の思想的意義を検証。現代日本人にも通じる、その思想の新たな側面が明らかにされます。

第一章 宗教における西洋と日本との出会い
第二章 福澤諭吉とキリスト教
第三章 フランシス・ウェーランドと福澤諭吉
第四章 ジョン・スチュアート・ミルと福澤諭吉
第五章 福澤諭吉と仏教
第六章 『福翁百話』における実学思想と宗教哲学
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
1927年生まれ。1950年慶應義塾大学文学部卒。1960年ミシガン大学哲学修士。1967年慶應義塾大学文学部(倫理学専攻)助教授。1969年同大学文学部教授。1991年国際基督教大学社会科学科歴史専修教授。1995年北京日本学研究センター客員教授。1999年目白大学人文学部客員教授。文学博士。 現在、慶應義塾福澤研究センター顧問、福澤諭吉協会理事、日本比較思想学会理事、日本イギリス哲学名誉会員、日本基督教団中渋谷協会長老。
|