〈次世代を育む心〉の危機
ジェネラティビティ・クライシスをめぐって
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ジェネラティビティ・クライシス(<次世代を育む心>の危機)をキー概念として「ひきこもり」「児童虐待」「中高年のうつ病」といった現代社会の代表的な精神病理を、慶應義塾大学病院の現役の臨床医師が易しく解説。社会構造と心理構造との関連性を押さえつつ、その克服法を模索する。「モラトリアム」「パラサイト・シングル」「ネグレクト」といったトピックに関するコラム15編も収録し、メンタルヘルスの入門書としても最適。


はじめに 濱田庸子
第1章 ジェネラティビティ・クライシス(generativity crisis):次世代を生み育てる心の危機とは? 濱田庸子 Introduction 1 少子高齢化社会 2 ジェネラティビティ・クライシス 3 アイデンティティ(identity)の確立 4 心理・社会的モラトリアム 5 「父親」のいない社会 6 社会構造の変化と心理構造の変化
Column 1 日本はモラトリアム社 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
小此木啓吾(おこのぎけいご) 慶應義塾大学医学部卒 慶應義塾大学医学部精神神経科助教授、慶應義塾大学環境情報学部教授を経て、 東京国際大学人間社会学部教授、慶應義塾大学客員教授。 専門は、精神医学、精神分析学。 主な著書 『現代精神分析の基礎理論』(弘文堂、1985) 『フロイト−その自我の軌跡』(NHK出版、1973) 『モラトリアム人間の時代』(中央公論社、1978) 『精神分析のすすめ−わが国におけるその成り立ちと展望』(創元社、2003)、他多数。 平成15年9月21日没
濱田庸子(はまだようこ) 慶應義塾大学医学部卒 慶應義塾大学医学部精神神経科助手、聖徳大学保健センター助教授を経て、 現在、慶應義塾大学環境情報学部助教授、同大学医学部精神神経科兼担助教授。 専門は、精神医学、乳幼児精神保健、学校精神保健。 主な著書 『乳幼児精神医学の方法論』(岩崎学術出版社、1994、共著) 『早期関係性障害−乳幼児期の成り立ちとその変遷を考える』(訳書、岩崎学術出版社、2003、共訳)
山田康(やまだやすし) 東京医科歯科大学医学部卒 井の頭病院勤務を経て、現在、慶應義塾大学医学部精神神経科助手。 専門は、児童思春期精神医学、摂食障害、臓器移植のメンタルヘルス
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