福澤諭吉の思想は、今日まで政治思想を中心に論じられることが多かった。しかし、 福澤の指向した西欧型近代国家は、政治体制だけでなく、「法による支配」をも重視しており、福澤の法に関する言説も少なくなく、また、極めて今日的な意義を持っています。 本書は、福澤の法思想を正面に捉え、現代に至る「影響」までを多角的に検証した初の論考集です。

福澤諭吉の西洋法認識 安西敏三
明治十四年の政変と福澤諭吉 伊藤彌彦
福澤諭吉の地方自治論−法思想家としての一側面 石川一三夫
福澤諭吉と「近代的代言人」児玉淳一郎 村上一博
福澤諭吉と裁判−明治十五年・売薬営業毀損事件 寺崎修
馬場辰猪の商法講義−在野の法学啓蒙 小沢隆司
福澤諭吉とジョン・ヘンリー・ウィグモア−法律専門教育をめぐる二つのヴィジョン ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
安西敏三 1948年生まれ。甲南大学法学部教授。日本政治思想史。
伊藤彌彦 1941年生まれ。同志社大学法学部教授。近代日本政治思想史。
石川一三夫 1944年生まれ。中京大学法学部教授。日本近代法史。
村上一博 1956年生まれ。明治大学法学部教授。日本近代法史。
寺崎修 1945年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。日本政治思想史、日本政治運動史。
小沢隆司 1963年生まれ。札幌学院大学法学部教授。日本近代法史。
岩谷十郎 1961年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。日本近代法史、法文化論。
北居功 1961年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。民法。
森征一 1943年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。ヨーロッパ法制史。
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