東欧からの視点によるヨーロッパ通史の邦訳。著者は、共産主義体勢崩壊後、その歴史観が再評価されている人物であり、本書は、ヨーロッパが新時代を迎えた現在、新たな意義をもつ名著です。 ヨーロッパと西欧を同一視しがちな考えに修正を迫り、ヨーロッパとはどの範囲か、ヨーロッパ時代はいつ始まりいつ大西洋時代に移行したか、という疑問が明らかにされます。 丁寧な訳注が付され、教科書にも好適の書です。

はじめに
第1章 ヨーロッパ史とはなにか 第2章 時間的境界:(a)ヨーロッパ史の始まり 第3章 時間的境界:(b)ヨーロッパ史の終焉 第4章 空間的境界:(a)大洋、海域、島嶼、海峡 第5章 空間的境界:(d)東部大地峡 第6章 空間的構成:(a)西ヨーロッパと東ヨーロッパ 第7章 空間的構成:(b)中央ヨーロッパの二重性 第8章 時間的構成:(a)中世とルネサンス 第9章 時間的構成:(b)近代史と現代史 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
オスカー・ハレツキ(Oscar Ritter von Haleccki) ワルシャワ大学教授を経てアメリカに渡り、カナダのモントリオール大学やニューヨークのフォーダム大学で教育研究活動を行った。冷戦期の西側における東欧史の権威として名声を博した。1973年没。
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