「宗家文書」の検証をもとに、朝鮮薬材調査の実態を解明した初の研究書。徳川吉宗が命じたこの調査は、朝鮮医学理解のみならず、朝鮮人参の国産化構想も秘められていた。朝鮮動植物図56点をカラーで収録。

図録編 享保期朝鮮動植物図録
序章 一 近世日朝関係の概要 二 本書の課題 三 史料について 四 本書の構成
第一章 近世前期朝鮮医薬の受容と対馬藩 一 医学書 二 薬種 三 医師
第二章 徳川吉宗と朝鮮医学 一 吉宗の登場 二 はじめての朝鮮産物調査 三 朝鮮通信使の医事問答
第三章 朝鮮薬材調査の命令 一 林良喜の指示と密命 二 薬材質正官、越常右衛門 三 調査の準備
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田代和生(たしろ かずい) 1946年、札幌生まれ。慶應義塾大学文学部教授。1983年延世大学校客員教授、1983〜85年、プリンストン大学訪問研究員。専門は、近世日朝関係史。著書に『近世日朝通交貿易史の研究』(1981年、創文社)、『書き替えられた国書』(1983年、中央公論社)など。1968年より対馬島を中心に、史料調査を開始、1998年より国内外に散在する膨大な宗家文書のマイクロフイルム資料『対馬宗家文書』(ゆまに書房)を監修。
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