現象学は、倫理学にいかなる新たな地平を切り拓いたかを、近代の思索の歩みの中に検証しつつ、同時に言語・他者といった人間的プラクシスの中核を成す主題への現象学的接近を試みた野心的論文集。

序 現象学によせて………市倉 宏祐 エートスの現象学と現象学のエートス………水谷 雅彦 フッサール現象学における人間主義と拡大主義 人格の問題と現象学………平田 俊博 道徳の知とエキスパート………越智 貢 シェーラーのテーゼの意味 良心の解釈学的検討………佐々木 一也 世界開放性と存在開放性………篠 憲ニ 現象学的還元と伝統回帰………壽 卓三 和辻倫理学における現象学の意義 他者と倫理………斎藤 慶典 現象学における他者問題の諸相 身体からみた意志と人格………伊藤 春樹 ……
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