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損害賠償法と損害賠償額の予定
解釈および内容規制の比較法的検討
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合意は損害賠償法をいかに変容させるか。 内容規制と権利行使規制の峻別により、予定条項をめぐる問題点を再設定する。 ドイツ法・オーストリア法の緻密な分析から新たな解釈を提示する、気鋭の研究者による意欲作。
本書は、2017年の債権法改正による民法420条1項後段(増減額の禁止)の削除を契機に、損害賠償額の予定条項に関する従来の理解を抜本的に再構築するものである。ドイツ法・オーストリア法の分析に基づき、「原則として実損害額の主張を排除しない」という準則を提示しながら、過大な予定額の規制を、契約締結時の有効性を問う内容規制と、請求時の妥当性を問う信義則に基づく権利行使規制に峻別する。合意による法規範の修正という視点から、改正後の解釈論に新たな地平を拓く。

序 章 T 問題提起 U 本書の構成
第1部 総論:合意の内容確定および内容規制の基本構造
第1章 損害賠償額の予定に関する合意の内容確定 第1節 序論 T 問題提起 U 方法および構成 第2節 複数の損害計算の規律に関する一般論 T 抽象的損害計算論の意義および有用性 U 抽象的損害計算の位置づけ V 小括 第3節 ドイツにおける違約罰および包括的損害賠償 T 違約罰と損害賠償の関係 U 包括的損害賠償と損害賠償の関係 V 違約罰と包括的損害賠償の峻別論 ……
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河野航平(かわの・こうへい) 慶應義塾大学法学部専任講師。 1993年生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科民事法学専攻修士課程修了、同後期博士課程単位取得退学。博士(法学)(2024年、慶應義塾大学)。 慶應義塾大学大学院法学研究科助教(有期・研究奨励)、鹿児島大学法文学部助教を経て、2025年より現職。 著作に、「委任の任意解除による委任者の利益喪失」慶應法学56号(2026年)、「過大な賠償額の予定と過少な賠償額の予定の非対称的規律:過少な賠償額を予定する条項の内容規制に関する一考察」鹿児島大学法学論集59巻1号(2024年)、「解約金の3類型:解約金等条項の法的性質および内容規制に関する比較法的検討」鹿児島大学法学論集58巻1=2号(2023年)ほか。
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