譲渡担保法の全体像を理解する一冊! 民法等に規定のない非典型担保として,実務上用いられてきた譲渡担保・所有権留保。 譲渡担保契約・所有権留保契約にも適用される新法では,何が明記されたか? 譲渡担保法の規律の全体像と概要を把握する!
令和7年に成立した「譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律」、いわゆる譲渡担保法。 この譲渡担保法およびその整備法は、これまで判例・慣習法理により運用されてきた譲渡担保契約および所有権留保契約を法制化し、その効力、実行手続、破産手続における取扱い等を明文化した。新法で何が規定されたか? 動産・債権を中心とする不動産以外の財産を対象とした、新たな担保法制の内容を概観し、新法の全体像を理解できる一冊。

T 担保法改正――動産,債権等を目的とする譲渡担保および所有権留保の法制化 U 譲渡担保契約の効力 1 譲渡担保契約総論 ⑴ 譲渡担保契約および譲渡担保権の意義 ⑵ 被担保債権の範囲 ⑶ 譲渡担保権者の処分権 ⑷ 譲渡担保権設定者の処分権等 ⑸ 不可分性 ⑹ 物上代位性 ⑺ 物上保証人の求償権 ⑻ 関連規定の調整 ⑼ 根譲渡担保契約 2 動 ……
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松尾弘(まつお・ひろし) 慶應義塾大学大学院法務研究科教授。 1962年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得。横浜市立大学商学部助教授,横浜国立大学大学院国際社会科学研究科教授を経て,現職。この間,シドニー大学客員教授,オックスフォード大学客員研究員,社会資本整備審議会(公共用地分科会)委員,国土審議会(土地政策分科会)特別委員,法制審議会(民法・不動産登記法部会)幹事,財政制度等審議会(国有財産分科会)臨時委員,土地等利用状況審議会委員などを務める。 主要著作として,『物権変動における第三者保護の法理―権利変動論の展開』(慶應義塾大学出版会,2025),『民法』(慶應義塾大学出版会,2023),『民法改正を読む―改正論から学ぶ民法』(慶應義塾大学出版会,2012),『債権法改正を読む―改正論から学ぶ新民法』(慶應義塾大学出版会,2017),『家族法改正を読む―親族・相続法改正のポイントとトレンド』(慶應義塾大学出版会,2019),『物権法改正を読む―令和3年民法・不動産登記法改正等のポイント』(慶應義塾大学出版会,2021),ヘルムート・コーイング『法解釈学入門』(訳,慶應義塾大学出版会,2016),ジョセフ・ラズ『法体系の概念―法体系論序説(第2版)』(訳,慶應義塾大学出版会,2011),『開発法学の基礎理論―良い統治のための法律学』(勁草書房,2012),『発展するアジアの政治・経済・法―法は政治・経済のために何ができるか』(日本評論社,2016),『土地所有を考える―所有者不明土地立法の理解を深めるために』(日本評論社,2023),Property and Trust Law in Japan, Wolters Kluwer, 2021; Politics, Economy and Law in Developing Asia: A Reflection on Law and Development, Keio University Press, 2022ほか。
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