<大阪大学教授 安田洋祐氏 推薦!> 資本主義の本質に切り込み、ビジネス倫理の新地図を描く骨太の力作 <中央大学教授 瀧澤弘和氏(解説)> ヒースのアプローチは、まさに「制度論的倫理学」と言ってよい
なぜ人々は資本主義=市場経済について倫理的に不快に感じ、批判するのか。そこには人間の集団行為に関する複雑な文脈が存在する。市場経済をめぐる正当性の議論と、市場競争のなかで重要な役割を果たす企業行動の是非について繊細に解きほぐす、ヒースが長年議論してきた「ビジネス倫理」についての壮大なヴィジョンが展開される。

序章
第1章 日常の道徳とビジネスの倫理
第2章 資本主義は「道徳的」か
第3章 市場経済の正義を考える
第4章 市場経済は正当化できるか
第5章 なぜ人々は競争を不快に感じるのか
第6章 市場経済は最悪である─それ以外を除いては
第7章 市場のなかのルール
第8章 応用編─市場で許される不正直さ
第9章 企業はなぜ存在するのか
第10章 協力のオアシスとしての企業
第11章 なぜ会社の所有形態が重要なのか
第12章 企業倫 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
ジョセフ・ヒース(Joseph Heath)【著】 哲学者。トロント大学哲学部教授。1995年にノースウェスタン大学大学院でPh.D.を取得。著書に『資本主義が嫌いな人のための経済学』、『ルールに従う』(以上、NTT出版)、『反逆の神話(新版)』(アンドルー・ポターとの共著)、『啓蒙思想2.0(新版)』(以上、早川書房)などがある。
庭田よう子(にわた・ようこ)【訳】 翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。訳書に『信頼の経済学』(慶應義塾大学出版会)、シーマン『起業中毒』(東洋経済新報社)、リー『SS将校のアームチェア』(みすず書房)など多数ある。
瀧澤弘和(たきざわ・ひろかず)【解説】 中央大学経済学部教授。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。専門はゲーム理論、経済政策。著書に『現代経済学』(中央公論新社)がある。訳書に青木昌彦『比較制度分析に向けて』(共訳)、ヒース『ルールに従う』(以上、NTT出版)、グァラ『制度とは何か』(共訳、慶應義塾大学出版会)など多数ある。
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