・韓国の若者にとって最大の課題である「徴兵制」。 ・著者自身の経験をもとに、兵役の仕組みやその実態を解説。 ・韓国文化・社会の理解の一助となる一冊。
徴兵制のある韓国では、ほとんどの男性が20歳代前半までに2〜3年におよぶ兵役に就く。韓国社会では「神聖な義務」とされる一方で、厳しい訓練が課され外部との連絡や娯楽も制限されるなど、男性にとっては人生最大のイベントとなる。本書では、自らも兵役を経験した著者が、徴兵制度の歴史から現在の制度やその実態、社会の評価等を解説。日韓の若者たちの相互理解の一助とする試み。

はじめに
第1章 なぜ韓国に徴兵制度があるのか 1.韓国を取り巻く軍事的状況 2.徴兵制とは 3.韓国における徴兵制度の始まり
第2章 徴兵制度の仕組み 1.兵役判定検査 2.入隊から配属(自隊配置)まで 3.兵役の修了とその後
第3章 兵役に対する基本認識と勤務環境 1.祖国を守る「神聖な義務」 2.「一人前の男」になる 3.兵士の日常と苦悩
第4章 兵士と恋愛 1.韓国人 ……
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金 柄徹(きむ びょんちょる) 慶應義塾大学文学部教授。 博士(学術)東京大学。1986-89年国連司令部板門店共同警備区域(JSA)にて兵役、1991年ソウル大学校社会学部卒業。1997-99年日本学術振興会特別研究員(DC2)、1999年亜細亜大学国際関係学部専任講師、2002年助教授、2007年教授を経て2016年より現職。専門は文化人類学。主要著作に、“Sea Nomads of Japan”. International Journal of Maritime History, Vol. XI, No. 2 (1999年)、『いくつもの日本W さまざまな生業』(共著、岩波書店、2002年)、『家船の民族誌:現代日本に生きる海の民』(単著、東京大学出版会、2003年)、『グローバル化と変容するアジア』(共著、亜細亜大学アジア研究所、2011年)、「『倭寇』から眺める海域世界」『三田文学』(三田文学会、2019年)などがある。
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