グローバリゼーションの進む世界経済は、戦争、保護主義の台頭など試練を迎えている。一方で経済的な結びつきの重要性は増々高まっている。国際貿易論のみならず国際経営学、社会起業論など幅広いジャンルのテーマが織り成す1冊。


第1章 グローバリゼーションと東アジア(木村福成) 第2章 「国際経済学」と「国際経営学」を跨いだキャリアから見えてきたこと (入山章栄) 第3章 機械産業における国際的生産ネットワークと通商政策(安藤光代) 第4章 米中貿易紛争が多国籍企業活動に与えた影響(早川和伸) 第5章 経済制裁の限界――経済学的視点からの再検証(久野新) 第6章 データから見る「脱グローバル化」 (小橋文子) 第7章 日本の自由貿易協定の評価(山ノ内健太) 第8章 経済の複雑性と所得水準 (清田耕造) ……
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【編者】 木村福成(きむら・ふくなり)(慶應義塾大学名誉教授・シニア教授) 慶應義塾大学名誉教授・シニア教授および独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所(IDE-JETRO)所長。 1991 年ウィスコンシン大学Ph.D.(経済学)取得。専門は国際貿易論,開発経済学。1982年東京大学法学部卒業後,(財)国際開発センター研究助手として政府開発援助関連の調査研究に従事,その後ウィスコンシン大学にて経済学を学んだ。ニューヨーク州立大学オルバニー校経済学部助教授を経て,1994 年より30 年間,慶應義塾大学経済学部助教授・教授として三田で研究・教育に携わった。2008 年から2024 年まで,インドネシア・ジャカルタに設立された東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)のチーフエコノミストも兼任した。専門は国際貿易論,開発経済学。著書に『国際経済学入門』(日本評論社),共著に『実証 国際経済入門』(小浜裕久との共著,日本評論社),編著に『国際経済学のフロンティア』(椋寛との編著,東京大学出版会)他多数。
清田耕造(きよた・こうぞう) 慶應義塾大学産業研究所・大学院経済学研究科教授 慶應義塾大学で博士(経済学)取得。慶應義塾大学経済学部卒業。木村福成研究会1期生。専門は木村福成先生と同じ国際経済学。学部・大学院(修士・博士課程)を通じて木村先生よりご指導頂きました。日本国際経済学会より2013 年に特定領域研究奨励賞(小田賞),2020 年に小島清賞研究奨励賞を,日本経済学会より2017 年に石川賞を受賞。著書に『拡大する直接投資と日本企業』(NTT出版,2015 年日経経済図書文化賞受賞),『日本の比較優位』(慶應義塾大学出版会)がある。
安藤光代(あんどう・みつよ) 慶應義塾大学商学部教授 慶應義塾大学で博士(経済学)取得。国際分野,特に発展途上国に興味があったことから木村福成研究会(4 期生)に所属し,恩師の仕事ぶりを見て,実務面も含めて学術面から発展途上国に関わるという選択肢があることを知る。そんな学部ゼミから大学院まで,木村先生の温かくも厳しい指導を受けて,国際貿易論の研究者へと成長し,その後は数多くの共同研究を行う。最近では,本書の他の執筆者との共同研究も多い。国際機関(米州開発銀行や世界銀行研究所)での経験や一橋大学を経て,慶應大学に戻り,現在に至る。
小橋文子(おばし・あやこ) 慶應義塾大学経済学部教授 慶應義塾大学で博士(経済学),ウィスコンシン大学でPh.D.(経済学)取得。学部時代,湘南藤沢キャンパス(SFC)から三田へ経済学を学ぶため足を運び,木村研究会(通称「キムケン」)に所属したことが,国際貿易論の研究者としての歩みを始める契機となる。木村先生の温かいご指導のもとで修士・博士課程を修め,恩師が辿られた学問の足跡を追うように渡米。帰国後は白山や青山を経て,再び三田の山へ戻り,現在に至る。
【執筆者】 入山章栄(いりやま・あきえ)(早稲田大学大学院経営管理研究科教授) 中川宏道(なかやま・ひろみち)(名城大学経営学部准教授) 久野新(くの・あらた)(亜細亜大学国際関係学部教授) 早川和伸(はやかわ・かずのぶ)(日本貿易振興機構 アジア経済研究所主任研究員) 渡部雄太(わたべ・ゆうた)(日本貿易振興機構 アジア経済研究所研究員) 山ノ内健太(やまのうち・けんた)(香川大学経済学部准教授) 林晉禾(Chinho Lin)(台湾國立中山大學企業管理學系助理教授) 陳マテウス(Mateus S. Chang)(東京大学医科学研究所公共政策研究分野特任研究員) 井上英之(いのうえ ひでゆき)(さとのば大学名誉学長(Chief Co-Learner「共に学ぶ人の代表」)。
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