近代東アジア憲法の歴史的交響
理論の継受と規範の形成
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近代日中両国の憲法思想。その淵源はどこにあるのか。 日本・中国、両国における憲法の基本概念から解きおこし、当時の中国の憲法制定と明治憲法、そして相互の憲法学の関係、また近代における中国の憲法学教育における日本的要素をも考察しながら、両国の憲法、憲法学の継受と発展の歴史を繙く。
19世紀末から20世紀初頭の清朝末期、中華民国初期にかけての中国における立憲構想や制憲活動に対する、大日本帝国憲法(明治憲法)、また明治期以降の日本憲法学が与えた影響について、多角的な観点から実証的に考察。近代日本及び中国を題材とする比較法制史研究。
序 章 第一節 歴史の背景 第二節 先行研究 第三節 研究目的 第四節 各章の構成と要旨
第一章 近代日中両国における憲法の基本概念の定着と連鎖 第一節 はじめに 第二節 明治日本を介しての憲法の基本概念の創成と伝播 第三節 明治日本における憲法の基本概念 第四節 近代中国における日本憲法の基本概念の継受と発展 第五節 おわり
第二章 近代中国の憲法制定と明治憲法 第一節 はじめに 第二節 近代中国の憲法制定の源流 第三節 清国末期の憲法制定における明治憲法の ……
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呉迪(Wu Di)(ご・てき) 1993年生まれ。博士(法学、慶應義塾大学)。 慶應義塾大学大学院法学研究科助教。 遼寧師範大学政治行政学部卒業、創価大学別科特別履修課程修了、慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻博士課程修了。 著書に、『「雇佣労働与資本」河上肇譯本考』(共著、遼寧人民出版社、2023年)、『「哲学的貧困」浅野晃譯本考』(共著、遼寧人民出版社、2023年)、『中国近代法制史料[全10巻]』(共編、中華書局、2023年)、『張玉陽先生遺訓』(張玉陽先生記念研究会、2023年)ほか。
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