一五○年間紡ぎ続けた“志”
明治の工場建築は、いくたびかの消滅の試練を乗り越え、なぜ世界遺産登録に 至ることができたのか。その核心に迫る、渾身のノンフィクション!
建築が永遠に残り続けるためには――
・明治の富国強兵・殖産興業政策の先陣を切って、1872年の操業から2014年の世界遺産登録、そして今日まで150年あまりの間、誰がどのようにして富岡製糸場存続の襷をつなぎ、いくたびかの取り壊し案を退けながらこの産業・文化遺産を守ってきたのか。 そして、いかにして世界遺産登録の座をかち得たのか? ・著者が取材を重ねるにつれ、歴史に埋もれながら、“郷土の誇り” の存続に尽力してきた人々の熱意の連環が徐々に明らかになる。 そして薄絹のように透明な“ミッシング・リンク” が少しずつ、しかし確実に“現実”という色を伴ってつながっていく過程が焙り出されてゆく。 ・世界遺産登録から10周年を迎えるいま、富岡製糸場の「語られざる秘話」の核心に迫る渾身のノンフィクション。 ・詳細な年表を巻末に掲載。
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![書評](/img/detailh4-review.gif)
『週刊文春』 2024年10月10日号「文春図書館」(p.105)の「文春図書館推薦」欄に掲載されました。
『サライ』 2024年11月号「サライ BOOK レビュー」(p. 124)に書評が掲載されました。評者は、鹿熊勤氏です。
『四國新聞』 2024年7月21日読書面(17面)に書評が掲載されました。評者は夫馬信一氏(著述業)です。
![目次](/img/detailh4-contents.gif)
プロローグ 古武士 1 一人四役 2 熱烈な気迫 3 至誠、神の如し 4 シルク王の執念 5 苦渋の決断 6 生き残りをかけて 7 すべて昔のままに 8 誇りを貫く 9 採択の木槌 エピローグ 片倉に縁がある者です 関連年表
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
稲葉なおと(いなば・なおと) 紀行作家、一級建築士。東京工業大学建築学科卒業後、建築家、建築プロデューサーとして実績を積んだのちに、世界の名建築ホテル旅行記『まだ見ぬホテルへ』で紀行作家としてデビュー。マリオット・インターナショナル・ゴールデンサークル・アワード(ワシントンDC)受賞。インド旅行記『遠い宮殿』でJTB 紀行文学大賞奨励賞受賞。その後もノンフィクション、小説、児童小説、写真集と活躍の場を広げ、国内外の名建築の知られざる物語や魅力を掘り起こす。ノンフィクション『夢のホテルのつくりかた』『匠たちの名旅館』、小説『ホシノカケラ』『0マイル』、児童小説『サクラの川とミライの道』(埼玉県推薦図書)、『ドクター・サンタの住宅研究所』、写真集『津山 美しい建築の街』など著書多数。永年に及ぶ建築文化の発展と啓発に関する貢献により、日本建築学会文化賞受賞。
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