マイダン革命・クリミア侵攻・ドンバス紛争――
君たちはウクライナの夜を知っているか?
ヨーロッパとロシアの狭間で、 血塗られた歴史を生きる人びとの魂の声を聴け。
君たちは ウクライナの夜 を知っているか? いいや、君たちは ウクライナの夜 を知ってはいない! ここでは 空は 煙で 黒く染まる ――ウラジーミル・マヤコフスキー
ウクライナとEUとの連合協定への署名を拒んだ ヤヌコーヴィチ政権を倒したマイダン革命、 そこにつけこんだロシアによるクリミア併合、 ロシアを後ろ盾とする反政府の分離主義武装勢力と ウクライナ政府軍とのドンバス紛争へと続く事態を、 大文字の歴史に、多様なウクライナ社会の証言者たちの声を 織り交ぜながら立体的に描き出す。 “生の声” によるウクライナ現代史。


『上毛新聞』 2022年9月4日に書評(10面・読書面)が掲載されました。評者は松里公孝氏(東京大大学院法学政治学研究科教授)です。
『山形新聞』 2022年8月28日に書評(8面・読書面)が掲載されました。評者は松里公孝氏(東京大大学院法学政治学研究科教授)です。
『新潟日報』 2022年8月28日に書評(23面・読書面)が掲載されました。評者は松里公孝氏(東京大大学院法学政治学研究科教授)です。

序文 ウクライナ地図 ロシアの主張するノヴァロシア地図 キーウ(キーフ)中心部地図 トランスリテレーションについての注記
I マイダン革命 1 空を黒く染める煙 2 ゴーゴリの国 3 その壮大な意図 4 ガリツィアのファンタジー 5 存在しなかった革命 6 「いいね」を付けるだけじゃ駄目なんだ 7 父親たちと息子たち 8 自発的秩序形成 9 鐘楼 10 ノアの方舟 11 「自分の選択だったのだ」 12 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
[著者] マーシ・ショア(Marci Shore) 1972年生まれ。イェール大学准教授。夫は歴史学者のティモシー・スナイダー同大学教授。 20世紀から現在までの中東欧圏の”intellectual history”を研究している。現象学やマルキシズムにとりわけ関心を向けている。フランス語、ドイツ語、ポーランド語、ロシア語、チェコ語、スロバキア語、ウクライナ語、イーディッシュ語の資料を使用する。The Taste of Ashes, 2013やCaviar and Ashes: A Warsaw Generation's Life and Death in Marxism, 1918-1968, 2006などの著作があり、いくつもの賞を受賞している。ウイーンのHIS(人文科学研究所)の客員研究員を定期的に務めている。ユダヤ人アイデンティティを持つ人間としての発信も多い。
[訳者] 池田 年穂(いけだ としほ) 1950年横浜市生まれ。慶應義塾大学名誉教授。専門は移民論、移民文学、アメリカ社会史。ティモシー・スナイダーやタナハシ・コーツ、ピーター・ポマランツェフなどの作品の日本での紹介者として知られる。ウクライナやロシアと関わりのある作品として、スナイダーには『赤い大公』、『自由なき世界』、『ブラックアース』、『暴政』などが、ポマランツェフには『プーチンのユートピア』がある。マーク・マゾワー『国連と帝国』など多数の訳書がある(いずれも慶應義塾大学出版会)。
[解説] 岡部 芳彦(おかべ よしひこ) 1973年生まれ。神戸学院大学教授。 ウクライナ研究会(国際ウクライナ学会日本支部)会長。ウクライナ研究の第一人者として知られる。博士(歴史学、経済学)。研究対象は、ウクライナの政治・経済から歴史や文化まで幅広く、同国の政府要人へのインタビューも長期にわたり行っている。日本人とウクライナ人の交流史に関する著書を続けて刊行しているほか、ウクライナの詩集や民話の日本語への翻訳も行っている。
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