▼日本国憲法下の 自治体財政保障理論の 可能性を探れ
財政憲法の規範力による国家の財政行為の拘束から財政憲法原則が導出される過程に焦点をあてることで、自治体財政保障のための具体的な解決策を示し、我が国憲法学に与えられる示唆を得る気鋭の研究。
「『国庫』を構成する法行為の国家機関による成立は、法秩序によって原則として予定され、諸機関がそのような行為の定立を授権されていなければならない……。『国家』がすべてこれをなし得るかということ、及び、殊に、どのようにそれをなし得るかということは、決して自ずから明らかになるのではない。」 ―Hans Kelsen, Allgemeine Staatslehre. 1925.
ドイツの基本法・各ラント憲法における地方自治・自治体財政の保障の具体化に機能する憲法理論の進展の状況を分析。
財政憲法の規範力による国家の財政行為の拘束から財政憲法原則が導出される過程に焦点をあてることで、自治体財政保障のための具体的な解決策を示し、我が国憲法学に与えられる示唆を得る。

はしがき
序 章――問題提起 1.本書の目的 2.地方自治の法理と自治体財政の制度 (1) 法理――地方自治に対する制度的保障 (2) 制度――自治体財政調整による供与能力の確保 3.問題提起――法理と制度の両面から (1) 地方自治の制度的保障と自治体財政 (2) 制度的保障のもとでの自治体財政調整制度の形成 (3) 自治体財政調整制度の運用に関する立法者の判断の限界 (4) 自治体財 ……
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上代 庸平(じょうだい ようへい) 武蔵野大学法学部准教授。 1981 年生まれ。2003年慶應義塾大学法学部卒業、2008年同大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。2012年博士(法学、慶應義塾大学)。 中京大学国際教養学部専任講師、同准教授を経て現職。 主要著作として、『アーカイブズ学要論』(編著、尚学社、2014年)、「安保確保権限の相互協力的行使と情報共有の憲法的課題」大沢秀介ほか編『変容するテロリズムと法』(弘文堂、2017年)所収、「経済財政政策と憲法」別冊法学セミナー『憲法のこれから』(2017年)所収ほか。
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