〈茨の国〉の言語
マダガスカル南部タンルイ語の記述
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第11回京都大学たちばな賞 (優秀女性研究者賞)を受賞しました。
▼アフリカにもっとも近いアジア アフリカ大陸の東海岸に位置する国、マダガスカル。 遠く離れた東南アジア島嶼部やオセアニア地域と同じオーストロネシア語族の 消えゆく言語を体系的に記述する、世界初の試み。
アフリカ大陸の東海岸に位置する国、マダガスカル。
しかし、「アフリカにもっとも近いアジア」と呼ばれるマダガスカルの言語は、東南アジアやオセアニアの島嶼国(ポリネシア、メラネシア、ミクロネシア)と同じオーストロネシア語族に属し、またその南部タンルイは、有棘植物が生い茂るため、〈茨の国〉と呼ばれる厳しい自然環境の無文字社会である。
〈茨の国〉タンルイに分け入り、これまで未記述のタンルイ語をゼロから現地調査し、音、語や文の成り立ちから言語表現に投影された価値観や文化まで記述する、気鋭の力作。
はじめに 〈茨の国〉へ
序 章 マダガスカルの言語と民族 1. マダガスカルの言語と民族 1.1 マダガスカルと東南アジアとの歴史的・文化的連続性 1.2 マダガスカルの言語多様性 1.3 マダガスカルの国語・公用語について 2. 〈茨の国〉の言語――マダガスカル南部タンルイ語 2.1 文字のない社会、文字のない言語とは 3. タンルイ語を記述する 3.1 先行研究 3.2 調査方法および本書で用いるデータ 4. 本書の目的 4.1 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
西本 希呼(にしもと のあ) 京都大学白眉センター、京都大学東南アジア地域研究研究所特定助教。 2006年大阪外国語大学(現大阪大学)外国語学部地域文化学科南欧地域文化専攻卒業後、2011年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻5年一貫制博士課程修了。博士(地域研究)。第1回日本学術振興会育志賞受賞。 フランス国立東洋言語文化研究所(INALCO)客員研究員、ハワイ大学マノア校言語学科客員研究員、クワラ州立大学(ナイジェリア)客員研究員等を経て、2013年4月より現職。
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