ロシア歌物語ひろい読み
英雄叙事詩、歴史歌謡、道化歌
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▼豊かな口承文芸を誇るロシアの「歌物語」を語る文学読み物。 ▼ロシアの大地に生まれた英雄叙事詩「ブィリーナ」や歴史歌謡、道化歌などの代表作を紹介する。
ホメロスの叙事詩、ローランの歌、平家物語など、人々は一定のリズムにのせて、日常会話とは違う口調で物語を伝えてきた。こうした口承文芸また歌物語は、文学の作詞法とは異なる独自の詩学を持っている。本書では、ロシアの歌物語を紹介し、その魅力に迫る。
はじめに ロシアの歌物語とは 歌物語を読むために 歌物語の語り口
1 イリヤー・ムーロメツの歌物語 晩成の大器イリヤー イリヤーと怪物イードリッシュ イリヤー・ムーロメツ最後の旅
2 ドブルィニャとアリョーシャの歌物語 ドブルィニャと大蛇 ドブルィニャとアリョーシャ
3 超人たちの歌物語 大聖山の最期 変身する勇士ヴォルフ
4 華麗な男たちの歌物語 誇り高きデューク ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
熊野谷葉子(くまのや ようこ) 慶應義塾大学法学部准教授。千葉県出身。1991年早稲田大学第一文学部卒業後、東京大学文学部ロシア語ロシア文学科学士入学、1992年ロシア連邦プーシキン大学政府交換留学。1995年よりロシア連邦アルハンゲリスク州ほかで民俗学フィールドワークを行い、1999年東京大学大学院人文科学系研究科欧米系言語文化研究専攻博士課程単位取得退学、2002年博士論文「北ロシア農村のチャストゥーシカ―演劇性の観点から見た特徴づけと分類」(原文ロシア語)により同専攻博士号(文学)取得。2009年度NHKラジオ「まいにちロシア語」講師。単著に『チャストゥーシカ ロシアの暮らしを映す小さな歌』(東洋書店、2007)、共著に『ロシアフォークロアの世界』(伊東一郎編、群像社、2005)ほか。
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