▼刑法理論の根幹にかかわる問題に真正面から挑む。
未遂犯の処罰根拠論および実行の着手論に関する日本・ドイツの議論を比較して、我が国解釈論の深化を試みる。未遂犯の主たる処罰根拠を行為の規範違反性に求めつつ、客観的危険性の観点からその処罰範囲を制約する方向での理論構成を探る、気鋭かつ精緻な理論研究!

はじめに
序 章 未遂犯と具体的危険犯 第1節 「未遂犯=具体的危険犯」モデルの問題点 第2節 ドイツの状況 第1款 未遂犯の処罰根拠をめぐる議論 (1) 現行法の未遂に関する規定の内容 (2) 現行法下における未遂犯の処罰根拠論 (3) 現行規定の成立に至るまでの経緯 (4) 小 括 第2款 具体的危険犯における危険概念をめぐる議論 第3款 小 括 ……
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佐藤 拓磨(さとう たくま) 1977年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。専攻は、刑法。 慶應義塾大学法学部法律学科卒業、慶應義塾大学大学院法学研究科前期博士課程修了、慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。
本書収録の論文のほか、「早すぎた構成要件実現について」法学政治学論究63号、「量的過剰について」法学研究84巻9号、「詐欺罪における占有」井田良ほか編『川端博先生古稀記念論文集 下巻』(成文堂、2014年)、「ドイツにおける自殺関与の一部可罰化をめぐる議論の動向」慶應法学31号など。
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