▼比較法的手法から最新証拠法の問題に挑む。
民事裁判における秘密保護手続、専門訴訟における証明問題とその周辺における証拠法の問題、EUの民事訴訟における証拠の取扱い、ドイツやオーストリアの新仲裁法というテーマついて、判例に素材を求め、裁判に現れた具体例を取り上げながら、抽象論よりも実務上の議論に焦点を当て、わが国の同種問題の解決策を導く。
どのようにして、手続原則を維持しながら実効的な権利保護を実現し、これを促進すべきか。 母法国であるドイツの民事証拠法を中心とし、スイス、オーストリアといった周辺国や欧州連合(EU)を対象として、比較法的な観点から、主として民事証拠法に関する諸問題を検討する。 民事裁判における秘密保護手続、専門訴訟における証明問題とその周辺における証拠法の問題、EUの民事訴訟における証拠の取扱い、ドイツまたオーストリアの新たな仲裁法をテーマとして、民事裁判をめぐって、実務において取り上げられた問題について判例に則して眺め、わが国の同種の問題に対処する。

はしがき
序 ―― 全体の鳥瞰
第1章 民事裁判における秘密保護の新たな展開 ―― ドイツ法における模索とわが法への示唆 T わが国におけるインカメラ手続と秘密保護をめぐる課題 U ドイツの知的財産関係訴訟におけるインカメラ手続なき秘密保護 V ドイツの行政訴訟におけるインカメラ手続 W 実務に対する学説の反応の一端とインカメラ手続(秘密保護手続)の理論的基盤 X わが国におけるインカメラ手続との対比と将来の方向 補 論
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春日 偉知郎(かすが いちろう) 関西大学大学院法務研究科教授。 前慶應義塾大学大学院法務研究科教授。筑波大学名誉教授。 専門:民事訴訟法・国際民事手続法。 1949年新潟県上越市にて出生。1977年一橋大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)(一橋大学)。その後、獨協大学法学部専任講師、同助教授を経て、1983年筑波大学社会科学系助教授、1992年同教授。2004年慶應義塾大学大学院法務研究科(法科大学院)教授。2014年4月から関西大学大学院法務研究科(法科大学院)教授。 司法試験考査委員(民事訴訟法担当、19952004年)、内閣司法制度改革推進本部労働検討会委員(2001-2004年)、厚生労働省中央労働委員会公益委員(2008-2013年)などを歴任。
主要著書として、 『民事証拠法研究 ―― 証拠の収集・提出と証明責任』(有斐閣、1991年) 『民事証拠法論集 ―― 情報開示・証拠収集と事案の解明』(有斐閣、1995年) 『民事証拠法論 ―― 民事裁判における事案解明』(商事法務、2009年)ほか。
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