スーパーバイオマスで持続的な社会を実現!
少ない肥料で大きく育ち,多くの二酸化炭素を固定できるスーパー植物。その開発から,植物バイオマスを用いた高付加価値な製品展開まで,最新のバイオ技術をわかりやすく解説する。
本書では,石油の代わりに植物バイオマスを利用し,現在の大量消費社会から持続可能な循環型社会へと移行していくための,最先端バイオ技術を紹介する。第1章から第5章は,バイオマス資源となる植物の改変をテーマとして,基本的な知識から技術開発の現状までを紹介する。第6章から第8章は,バイオリファイナリー技術開発の最前線や,工業的規模で植物バイオマスを利用するバイオコンビナート構想について紹介する。最後の第9章では,植物から製品がつくられ廃棄されリサイクルされるまでの全工程が,持続可能かどうかを評価するライフサイクルアセスメント(LCA)について述べる。
いま注目の「セルロースナノファイバー」についても詳しく紹介した。

はじめに ―― 私たちはいかにして循環型社会をめざすのか(福田裕穂) 1 21世紀の課題 2 植物バイオマス利用の重要性 3 植物CO2資源化研究拠点ネットワークの活動 4 本書の構成と内容
第1章 ゲノムのパワーで植物を変える(江面 浩) 1.1 食料生産とバイオマス生産 ―― 競合と共存 1.2 ゲノムパワーを引き出す植物の育種改良 1.3 植物の育種改良の手順 1.4 遺伝子組換え育種技術 ―― 従来の ……
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(※[ ]内は、担当章) 【編者】 福田裕穂(ふくだ・ひろお) [はじめに] 1953年生まれ。東京大学大学院理学系研究科教授。1982年東京大学理学系研究科植物学専門課程博士課程修了。理学博士。大阪大学理学部生物学科助手,東北大学理学部生物学科助教授・教授を経て,1995年より現職。途中ドイツ・マックスプランク育種学研究所に留学。専門は植物生理学。主な著書は『Plant Cell Wall Patterning and Cell Shape』,『植物の生存戦略』など。
稲田のりこ(いなだ・のりこ) [おわりに] 1973年生まれ。東京大学大学院理学系研究科特任研究員。2000年東京大学理学系研究科生物科学専攻博士課程修了。理学博士。日本学術振興会特別研究員,カリフォルニア大学バークレイ校博士研究員,奈良先端科学技術大学大学院特任教員を経て,2015年より現職。専門は細胞生物学。
【著者】 江面 浩 [第1章] 筑波大学遺伝子実験センター 坂本 亘 [第2章] 岡山大学資源植物科学研究所 藤原 徹 [第3章] 東京大学大学院農学系研究科 榊原 均 [第4章] 理化学研究所環境資源科学研究センター 出村 拓 [第5章] 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 荻野千秋 [第6章] 神戸大学大学院工学研究科 川口秀夫 [第6章] 神戸大学大学院工学研究科 近藤昭彦 [第6章] 神戸大学大学院工学研究科 高谷直樹 [第7章] 筑波大学大学院生命環境科学研究科 桝尾俊介 [第7章] 筑波大学大学院生命環境科学研究科 西野 孝 [第8章] 神戸大学大学院工学研究科 渕上智子 [第9章] 合同会社エフプロ(元東京大学大学院理学系研究科)
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