▼新書簡・新解説・索引などを追加収録した新版。
名作「小林秀雄論」から、フランス文学、芸術、古典を論じる日本カトリック文学の至高の作品集。
T 小林秀雄論 近代・反近代 ―― 小林秀雄「近代絵画」を読む 小林秀雄の『近代絵画』における「自然」 ルオー U ルウジュモンの『恋愛と西洋』を読む 『恋愛と西洋』に対するサルトルの批評について 「あれかこれか」と「あれもこれも」 ―― ダーシーの『愛のロゴスとパトス』を読む ガブリエル・マルセルの講演
V 道化雑感 宇野千代の『おはん』 チエホフの『三人姉妹』 モスクワ芸術座のリアリズム クローデルの『マリアへのお告げ』について
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著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 越知保夫(Yasuo Ochi) 1911年、大阪市西淀川区姫島生まれ。批評家・詩人。 東京の暁星小学校のときカトリックの洗礼を受ける。第一高等学校から東京帝国大学文学部仏文科へ進学。高校のころから吉満義彦に師事する。大学に進学後、左翼運動に参加し、投獄。その後、文学活動をはじめ、1940年から43年の間、吉田健一や中村光夫らが参加した雑誌「批評」に詩を発表。翻訳(共訳)に、エマニュエル・ムーニエ『人格主義』(1953年)、ヴァン・デル・メールシュ『人間を漁るもの』(1954年)、ギュスターヴ・ティボン『二人での生活』(1960年)がある。1954年から晩年にかけて、同人誌「くろおぺす」に小林秀雄論やジョルジュ・ルオー論、フランス文学論、演劇論、日本の古典論などを発表。1961年没。没後2年、遺稿集『好色と花』(1963年)が筑摩書房から刊行された。
【編者】 若松英輔(Eisuke Wakamatsu) 批評家。『井筒俊彦全集』編集担当。1968年生まれ、慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選。代表著作に『井筒俊彦 叡知の哲学』(慶應義塾大学出版会、2011年)、『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会、2015年)、『魂にふれる』(トランスビュー、 2012年)、 『吉満義彦 詩と天使の形而上学』(岩波書店、2014年)など。他、越知保夫論に『神秘の夜の旅』(トランスビュー、 2011年)がある。
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