アルスター長老教会の歴史
スコットランドからアイルランドへ
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▼北アイルランドのプロテスタント ―― そのメンタリティ、アイデンティティとは?
北アイルランド紛争におけるプロテスタント側の中心をなす長老派が辿ってきた400年にわたる歴史を生き生きと描き出した初の研究書。
17世紀初め、アルスター地方(≒北アイルランド)がイングランドによって植民地化され、イギリス国教徒をはじめとするプロテスタントがこの地方の支配層に定着したことが、現代まで続く北アイルランド紛争の起点とされている。 長老派は、この時代にスコットランドから入植したプロテスタントの一派で、当初、圧倒的多数派だったカトリック(被抑圧層)の敵意に対抗するために、自らの教義に強く依拠して社会的コミュニティを作り、発展してきた。 本書は、北アイルランド紛争の一方の当事者であるプロテスタントの中心をなす長老派の辿ってきた400年にわたる歴史を、社会史家の立場から描き出すことにより、プロテスタント側に起因する紛争の側面と現在の北アイルランド社会を理解する一助となる、日本では類のない研究書である。
はじめに
序章 アルスターとスコットランド 1 アルスターとスコットランド 2 アルスター植民 3 改革派と長老派 4 ノックスとスコットランド宗教改革
第T部 形成期のアルスター長老教会
第一章 アルスター長老教会の誕生 1 プレスコパリアンの時代 2 ブレアとリヴィングストン 3 シックス・マイル・ウォーターのリバイバル 4 最初の長老会
第二章 アルスター「契約派」 1 「契約」という思想 ……
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松井 清(まつい きよし) 明治学院大学社会学部教授。 1947年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。東京都立大学助手、明治学院大学社会学部専任講師、同助教授を経て、1985年より現職。1986年ウォリック大学(英)客員研究員、1998年アルスター大学(英)客員教授。専門は、比較社会学。 著書・訳書に、『北アイルランドのプロテスタント ―― 歴史・紛争・アイデンティティ』(彩流社、2008年)、『教育とマイノリティ ―― 文化葛藤のなかのイギリスの学校』(弘文堂、1994年)、D.エメット・A.マッキンタイア編『社会学理論と哲学的分析』(共訳、弘文堂、1976年)など。
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