東西の名著、奇書にたどる人類知
一冊の書物は世界の真理をどのように収めようとしたのか。
古今東西の辞典、神学書、哲学書、歴史書といった書物を各専門家が一冊ずつ選び、 その内容と時代背景と造本について濃密に論じる、刺激的な11の論考集。
前 言 松田隆美・徳永聡子
プラトンの近代校訂本 ―― 古典文献学への招待 納富 信留
中世の聖遺物礼拝と文書 ―― モワサック修道院の写本をめぐる考察 杉崎泰一郎
ダンテ『神曲』の世界 藤谷 道夫
世界を読み解く一冊の本 ―― ヨーロッパ中世・近代初期の象徴事典の系譜 松田 隆美
「キリストの系譜」の視覚表象 ―― 中世の英国における伝統と継承 原島 貴子
フランチェスコ・コロンナ 『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』の世界 伊 ……
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【編者】 松田隆美(まつだ・たかみ) 慶應義塾大学文学部教授(中世英文学、思想史)。ヨーク大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。 主要業績:『ヴィジュアル・リーディング ―― 西洋中世におけるテクストとパラテクスト』 (ありな書房、2010年)、『ロンドン物語 ―― メトロポリスを巡るイギリス文学の700年』(共編著、慶應義塾大学出版会、2011年)。
徳永聡子(とくなが・さとこ) 慶應義塾大学文学部准教授(中世イギリス文学、西洋書誌学)。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了(Ph.D.)。 主要業績:Printing and Reading Walter Hilton in Early Tudor England, in Anchoritism in the Middle Ages: Texts and Traditions, ed. by Catherine Innes- Parker and Naoë Kukita Yoshikawa(Cardiff, 2013),[翻訳]ロッテ・ヘリンガ『初期イングランド印刷史 ―― キャクストンと後継者たち』(雄松堂書店、2013年)。
【執筆者】 納富信留(のうとみ・のぶる) 慶應義塾大学文学部教授(西洋古代哲学、西洋古典学)。ケンブリッジ大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。 主要業績:『ソフィストと哲学者の間―プラトン『ソフィスト』を読む―』(名古屋大学出版会、2002年)、『プラトン理想国の現在』(慶應義塾大学出版会、2012年)。
杉崎泰一郎(すぎざき・たいいちろう) 中央大学文学部教授(西洋中世史)。上智大学大学院博士後期課程満期退学。博士(史学)。 主要業績:『欧州百鬼夜行抄』(原書房、2002年)、『12世紀の修道院と社会(改訂版)』(原書房、2005年)。
藤谷道夫(ふじたに・みちお) 慶應義塾大学文学部教授(イタリア文学・西洋古典文学) 。筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科文学専攻単位取得満期退学。 主要業績:Shinkyoku, il canto divino.Leggere Dante in Oriente, 2000,Trento,Editrice Università degli Studi di Trento,“Dalla legge ottica alla poesia: la metamorfosi di « Purgatorio » XX 1-27”, « Studi Danteschi », vol. LXI (1989),pp. 153-185, Società Dantesca Italiana.
原島貴子(はらしま・たかこ) 慶應義塾大学文学部非常勤講師(近代初期英文学、書物史)。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。文学修士。 主要業績:The Narrative Functions of John Rastell’s Printing: The Pastyme of People and Early Tudor “Genealogical” Issues, Journal of the Early Book Society for the Study of Manuscripts and Printing History, 11(2008),「宗教改革下の英国における平信徒と印刷テクスト ―― ウィリアム・ラステルとその時代」(『藝文研究』第93号、2007年)。
伊藤博明(いとう・ひろあき) 埼玉大学教養学部教授(思想史・芸術論)。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。 主要業績:『綺想の表象学 ―― エンブレムへの招待』(ありな書房、2007年)、『ルネサンスの神秘思想』(講談社学術文庫、2012年)。
鷲見洋一(すみ・よういち) 慶應義塾大学名誉教授(18世紀フランス文学・思想、『百科全書』)。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。 主要業績:Le Neveu de Rameau: caprices et logiques du jeu (Librairie France Tosho, 1975), 『「百科全書」と世界図絵』(岩波書店、2009年)。
三中信宏(みなか・のぶひろ) 独立行政法人農業環境技術研究所上席研究員・東京大学大学院農学生命科学研究科教授兼任(生物統計学・生物体系学)。東京大学大学院農学研究科修了(農学博士)。 主要業績:『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』(講談社、2006年)、『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る』(共編著、勁草書房、2012年)、『系統樹曼荼羅:チェイン・ツリー・ネットワーク』(共著、NTT出版、2012年)。
佐藤道生(さとう・みちお)。 慶應義塾大学文学部教授(古代・中世日本漢学)。慶應義塾大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程修了。 主要業績:『三河鳳来寺旧蔵 暦応二年書写 和漢朗詠集 影印と研究』(勉誠出版、2014年)、『和漢朗詠集・新撰朗詠集』(和歌文学大系 47、柳澤良一氏と共著、明治書院、2011年)。
佐々木孝浩(ささき・たかひろ) 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授(日本古典籍書誌学)。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程中退。 主要業績:共著『大島本源氏物語の再検討』(和泉書院、2009年)、「断片の集積体―「古筆手鑑」という存在―(『集と断片 類聚と編纂の日本文化』勉誠出版、2014年)。
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