日本精神医学のエポックを外観
日本精神医学界の泰斗によるエッセイ集。 医師としての矜持、医学教育などについて真摯な思索を語る。 また、著者が出会った人物、書物、芸術作品へのオマージュも掲載。

精神経学雑誌 第117巻 第6号 (2015年6月) 「書評」に掲載いただきました。評者は加藤敏氏です。
精神医学 56巻8号(2014年8月)に書評が掲載されました。

はじめに
第一章 医学の小径 躁うつ病の生物学的病理性 医学における科学性と臨床性 Limbusの探求:人間らしさの根元は…… 高齢、それはメランコリーの原因でもある 生物進化からみたこころとその病理 社会脳 患者との混沌とした出会いから、治療の終結まで 抗うつ薬の新たな事実 巨人の肩に乗って 小脳と高次精神機能 精神医学の世界を越えて 精神科医が自殺で患者を失うとき うつ病は神経衰弱の轍を踏むのか 強迫の起源と神経生物学について ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
神庭 重信(かんば しげのぶ) 九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野教授。医学博士。 1954年福岡県生まれ。1980年慶應義塾大学医学部卒業。同精神神経科学教室にて研修の後、米国メイヨ・クリニックにて精神科レジデント修了。同アシスタント・プロフェッサーを経て帰国。1993年慶應義塾大学医学部講師、1996年より山梨医科大学(現山梨大学)精神神経医学講座教授、2003年より現職。 日本うつ病学会理事長、日本精神神経学会副理事長などを務める。 学術書に『気分障害の診療学』(編著、中山書店、2008年)、『現代うつ病の臨床』(共編著、創元社、2009年)、『現代精神医学事典』(共編著、弘文堂、2011年)、『「うつ」の構造』(共編著、弘文堂、2011年)、『うつ病の論理と臨床』(弘文堂、2014年)ほか多数。一般書に『こころと体の対話――精神免疫学の世界』(文春新書、1999年)など。
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