ゲーテ〈最後の恋〉は破れていなかったのか?
▼現代ドイツ文学界の重鎮マルティン・ヴァルザーによる、文豪ゲーテ〈最後の恋〉といわれる文学史上の実話をもとにした長編小説。
▼文豪ゲーテ74歳とウルリーケ19歳という55歳も離れたゲーテ〈最後の恋〉は破れ、ゲーテはドイツ最大の恋愛詩『マリーエンバートの悲歌』を生み出した。ゲーテの死後も独身を貫いたウルリーケは死ぬ間際、ゲーテからの手紙を銀の盆の上で燃やし、その灰を銀のカプセルにつめ、棺の中に入れるように希望した 。ドイツで大反響を呼んだ長編小説。
信濃毎日新聞 2012年11月25日付「BOOKS 本」欄(12面)に書評が掲載されました(池内紀氏評)。
東奥日報 2012年11月18日付「読むBOOKS」欄(7面)に書評が掲載されました(池内紀氏評)。
宮崎日日新聞 2012年11月18日付「読書」欄(8面)に書評が掲載されました(池内紀氏評)。
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 マルティン・ヴァルザー(Martin Walser) ドイツの作家・評論家。1927年生れ。ノーベル賞作家ギュンター・グラスと同年齢、戦後同じ「47年グループ」に参加。グラスが進歩的文化人の立場を代表してきたのに対し、ヴァルザーは市民的常識派の考え方を代弁し、過去の清算問題でも東西統一問題でも両者はよき論争相手だった。戦後の多くのドイツ作家と同じように、ヴァルザーも政治的発言、エッセイも手がけたが、文学作品には政治的テーマを持ち込まず、独自のリアリズム手法の小説を発表してきた。小説の邦訳には『逃亡する馬』(同学社、1988)がある。未訳の長編小説に『ハーフタイム』『一角獣』『愛の履歴書』『ある批評家の死』『愛の瞬間』『不安のあがき』などがあり、数々の文学賞を受けている。
【訳者】 八木 輝明(やぎ てるあき) 慶應義塾大学経済学部教授。71年、立教大学文学部卒業後、同大学院修士課程、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。78年〜80年までボン大学(西独)に留学。81年から助教授、94年より現職。ドイツ文学、語学を担当。専門分野:ドイツ近、現代文学。著訳書に、ペーター・シュナイダー著『せめて一時間だけでも』(慶應義塾大学出版会、2007年)がある。
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