敵対する思想の自由
アメリカ最高裁判事と修正第一条の物語
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なぜ表現の自由は擁護されなければならないのか
▼言論・出版の自由を保障したアメリカ合衆国憲法修正第一条をめぐり、その成立過程から現在にいたるまで、アメリカにおける「表現の自由」の歴史という壮大なテーマをきわめてコンパクトに分かりやすく解説する。 ▼『ニューヨーク・タイムズ』 紙の連邦最高裁判所担当コラムニストとして鳴らし、ピューリッツァー賞を2度受賞したアンソニー・ルイスが豊富な判例をもとに、判決を下した綺羅星のごとき生身の裁判官たち、また判決の背景となったアメリカ社会の変容をいきいきと描きだす。
本書は、日本図書館協会選定図書です。

週刊 読書人 2012年9月21日付「学術思想」欄(4面)に書評が掲載されました(藤本一美氏評)。

謝 辞
プロローグ 表すことの自由 第1章 誕 生 第2章 「汚らわしく見下げ果てた」もの 第3章 「命あるものがひとし並実験であるように……」 第4章 自由を定義するということ 第5章 報道の自由とプライバシー 第6章 報道機関の特権とは? 第7章 恐怖そのもの 第8章 「他人にとっては抒情詩」 第9章 「ならず者で無法者」 第10章 我々が忌み嫌う思想 第11章 利益衡量 エピローグ 考えることの自由
訳者あとがき 原 註 判例等一覧
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 アンソニー・ルイス(Anthony Lewis) 1927年ニューヨーク市生まれ。ピューリッツァー賞を2度受賞したジャーナリストで、アメリカを代表するリベラル。ハーヴァード大学ロー・スクール、コロンビア大学大学院などをはじめ、全米の数多くの教育機関で長年にわたりジャーナリズム論を教えた。32年にわたって 『ニューヨーク・タイムズ』 紙のコラムニストを務めた(1969-2001年)。主要な単著としては、Gideon’s Trumpet (1964), Make No Law: The Sullivan Case and the First Amendment (1991)などがあるが、前者についてはわが国でも翻訳書が出ている(山本浩三・山中俊夫訳 『アメリカ司法の英知――ギデオン事件の系譜』 世界思想社、1972年)。
【訳者】 池田 年穂(いけだ としほ) [プロローグ・第1章〜第6章・エピローグ] 1950年生まれ。慶應義塾大学教授。移民論、アメリカ社会史を研究。慶應義塾大学文学修士。ジョーン・ディディオン 『悲しみにある者』(慶應義塾大学出版会、2011年)、ゴードン・ウッド 『ベンジャミン・フランクリン、アメリカ人になる』(共訳、慶應義塾大学出版会、2010年)など多数の訳書がある。
籾岡 宏成(もみおか ひろなり) [第7章〜第11章] 1969年生まれ。北海道教育大学旭川校准教授。アメリカ法を研究。中央大学法学博士。著書に 『アメリカ懲罰賠償法』(信山社、2012年)、訳書にジェイムズ・パターソン 『ブラウン判決の遺産』(慶應義塾大学出版会、2010年)がある。
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