▼『悲しみにある者』の続編がついに。
思い出は慰めにはならない。 ▼現代のアメリカを代表する作家、ジョーン・ディディオンによる、6年ぶりの書き下ろし作品。前著 『悲しみにある者』 では、夫、ジョン・グレゴリー・ダンの死が焦点となったが、今作では、娘、クィンターナの死をメインテーマとしている。クィンターナ、そして自らの幼年期の記憶、結婚生活の記憶が豊かに織り込まれた本書において、ディディオンは、子を持つこと、子を失うこと、親であること、病、老い、そして、死、それらすべてに対する彼女自身の恐れについて、深い洞察を展開する。
本書は、日本図書館協会選定図書です。


毎日新聞 2012年4月18日朝刊「BOOK WATCHING」(11面)にて、紹介されました。

目次(節番号が付されているのみ)
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 ジョーン・ディディオン(Joan Didion) 1934年カリフォルニア州サクラメント市生まれ。現在ニューヨーク市在住。1956年UCバークレー校を卒業後、『ヴォーグ』誌の編集に携わる。処女小説 Run, River は1963年に出版された。1964年に2歳年上の作家のジョン・グレゴリー・ダンと結婚。1966年に生後間もないクィンターナ・ローを養女にする。初のノン・フィクション Slouching Towards Bethlehem は1968年に出版された。小説、ニュージャーナリズム、書評、映画脚本、新聞・雑誌への寄稿など、ジャンルを問わず旺盛な執筆活動を半世紀にわたって続けている。2003年には、一族と彼らを育んだカリフォルニアを描く Where I Was From を刊行。同年の12月30日に、娘のクィンターナがICUに入っている状況で、夫ジョンを心臓発作で亡くす。それからの1年と1日を描いた The Year of Magical Thinking を2005年に発売。全米図書賞(ノンフィクション部門)受賞の大ベストセラーとなる。また、2007年のディディオン自身による劇化も大成功を収める。同書は、2011年9月に慶應義塾大学出版会から『悲しみにある者』として出版された。2005年の8月26日には、娘クィンターナが39歳で亡くなる。2011年10月に、娘の死と思い出、自らの老いを綴った Blue Nights (本書『さよなら、私のクィンターナ』の原著)を出版。ベストセラーとなる。
【訳者】 池田年穂(いけだ としほ) 1950年横浜市生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。現在、慶應義塾大学教授。専門は移民論、移民文学、主な訳書に、ジョーン・ディディオン 『悲しみにある者』、ゴードン・S・ウッド 『ベンジャミン・フランクリン、アメリカ人になる』(共に慶應義塾大学出版会)、エミー・E・ワーナー 『ユダヤ人を救え!』、ジェームズ・ウォルヴィン 『奴隷制を生きた男たち』(共に水声社)などがある。
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