成り上がり者の行く末は。 ▼19世紀アメリカの自然主義(リアリズム)の作家、ハロルド・フレデリック(Harold Frederic: 1856-1898)による長編小説『The Market-Place』(1899年)を、日本におけるフレデリック研究の第一人者である訳者が、軽快でリズム感のある読みやすい日本語に翻訳。 ▼舞台は19世紀末のロンドン。世界各地を放浪し、40歳まで不遇な人生を過ごしてきた主人公ソープは、イギリスへの帰国途中で出会った貴族、プラウデン卿の後援を得て、詐欺行為に近い手法で株の売買を行い、巨額の資産を築いていくが……。
本文(第1章〜第27章) 訳者あとがき
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【著者】 ハロルド・フレデリック(Harold Frederic) 1856-1898年。アメリカ・ニューヨーク州の町ユーティカ生まれ。元々はジャーナリストであり、『ニューヨーク・タイムズ』の特派員としてロンドンに駐在して以来、本格的に小説執筆に身を入れた。主な作品にThe Damnation of Theron Ware or Illumination(『セロン・ウェアの破滅』)やGloria Mundiがある。本作(The Market-Place)は、フレデリックの最後の長編小説である。
【訳者】 久我俊二(くが しゅんじ) 慶應義塾大学教授(法学部・英語) 1979年慶應義塾大学文学研究科英米文学専攻博士課程単位取得退学。主要著作・論文に、『ハロルド・フレデリックの人生と長編小説―詐欺師の系譜』(慧文社、2005)、『セロン・ウェアの破滅』(訳)(慧文社、2008)、‘The Sound and the Fury in Stephen Crane’s Maggie and George’s Mother,’ Stephen Crane Studies, 17(2), 2008, ‘Filling the Gap: How the Japanese Have Read and “Seen” Crane’s Works,’ Stephen Crane Studies, 19(1), 2010がある。
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