▼実験経済学の最先端が示す2015年「ポスト京都」への指針
不確実性に満ちた現実社会では市場は必ずしもうまく機能しない。温暖化ガスの総排出量を制御できても、効率性が常に達成されるわけではないのだ。 本書は、被験者を用いた実験分析とコンピュータ・シミュレーション分析を駆使して、多様な主体からなる市場の姿と取引の帰結を解明、2015年に向け新たな交渉が進む排出権取引市場の制度設計に具体的指針を示す。

はしがき
序章 排出権取引の光と影 1 ヒトの特性と排出権取引 2 米国の二酸化硫黄排出権取引 3 本書の目的
第1章 排出権取引のしくみ 1 はじめに 2 京都議定書での削減分担 3 数値例で考える排出権取引 3.1 最小の削減総費用は? 3.2 割り当てられた削減量を自国だけで減らした場合 3.3 排出権取引のルール 3.4 排出権取引を使うとどうなるか 4 排出権取引の問題点 5 次章以降の排出権取引実験の概略 5. ……
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西條 辰義(さいじょう たつよし) 高知工科大学制度設計工学研究センター・ディレクター、マネジメント学部教授。大阪大学環境イノベーションデザインセンター特任教授。 1975年香川大学経済学部卒業、1978年一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了、1985年ミネソタ大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。オハイオ州立大学講師、カリフォルニア大学サンタバーバラ校助教授、筑波大学教授、大阪大学環境イノベーションデザインセンター教授を経て2013年より現職。専門は、制度設計工学、実験経済学、環境経済学。 主要著書に、『地球温暖化問題の経済学』(共著、大阪大学出版会、2009年)、『実験経済学への招待』(編著、NTT出版、2007年)、『社会科学の実験アプローチ』(共編、勁草書房、2007年)、『地球温暖化対策――排出権取引の制度設計』(共著、日本経済新聞社、2006年)など。
草川 孝夫(くさかわ たかお) 広島修道大学経済科学部准教授。 1999年早稲田大学商学部卒業、2001年大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了、2004年大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(経済学)。専門は、実験経済学的手法を用いた制度設計。 主要論文に、“An experimental investigation of a third-person enforcement in a prisoner’s dilemma game,” Economics Letters, 117(3), 2012/12(共著)、「集合住宅における排出権取引の制度設計――摂津市南千里丘の事例」『都市問題研究』2009年9月号(都市問題研究会、共著)、“When do noise traders affect stock prices? An experimental study,” Proceedings of Asian FA/NFA 2008 International Conference, 2008/7(共著)など。
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